4日のラ・リーガ第8節、レアル・マドリーは本拠地サンティアゴ・ベルナベウでのビジャレアル戦を3-1で制した。
1週間前のアトレティコ・マドリー戦で、2-5というスコアで今季初黒星を喫したマドリー。ミッドウィークのチャンピオンズリーグ・カイラト戦では、パフォーマンス的には低調ながらもエンバペのハットなどで5-0大勝を収め、この強豪ビジャレアルとの一戦で復活をアピールしたいところだ。
シャビ・アロンソ監督は今回、カルバハル、トレントが負傷離脱中の右サイドバックに、カイラト戦で起用しなかったバルベルデを据えている。またベリンガムは2試合連続ベンチスタートで、ギュレル、マスタントゥオノを継続して先発させた。全スタメンはGKクルトワ、DFバルベルデ、ミリトン、ハウセン、カレーラス、MFギュレル、チュアメニ、セバージョス、FWマスタントゥオノ、エンバペ、ヴィニシウス。
シャビ・アロンソ監督はカイラト戦の前日会見で「チームのあるべき個性を定義している最中」と話していたが、この試合のマドリーはまだ迷いの中にいるようだった。前半のチームはボールこそ保持するものの、左サイドに偏る攻撃の連係はチグハグ。唯一目を見張ったのはヴィニシウスの圧倒的スピードを生かしたドリブルだが、それ以外の崩しの術は弱く、ビジャレアルの堅牢な守備ブロックをなかなか穿つことができなかった。
マドリーは7分、エンバペのスルーパスからギュレルがシュートを打ったがクロスバーの上へ。また22分には、ヴィニシウスのクロスにチュアメニが頭で合わせるも、こちらは枠の右に外れた。前半最大の決定機を迎えたのは、堅守速攻でチャンスをうかがっていたビジャレアル。40分、速攻からオルワセイがDFラインを突破し、そのままペナルティーエリア内に入り込んだが、シュートは眼前のクルトワにセーブされている。
冷や汗をかいたマドリーは45分、左サイドでの展開から最後は逆サイドのマスタントゥオノがシュートに持ち込むも、これは枠の右に外れた。前半はスコアレスのまま終了し、マドリーのパフォーマンスに不満の一部観客は、ロッカールームに戻る選手たちに指笛を吹いていた。
迎えた後半、苦戦していたマドリーは、前触れもなくワンプレーから1点をもぎ取った。右サイドのミリトンが上げたクロスを、ゴール前のエンバペがバックヘッドで逆サイドのヴィニシウスに流す。背番号7は対面するモウリーニョをいとも簡単にかわしてペナルティーエリア内左に侵入し、右足でシュート。ボールはコメサーニャのクリアを狙って伸ばした足に当たり、GKアルナウ・テナスの逆を突く形で枠内左に収まっている。
先制後もボールを保持して追加点を狙うマドリー。62分には再びビジャレアルの速攻を許したものの、ぺぺの折り返しには誰も合わせられず、何とか失点を逃れた。シャビ・アロンソ監督は64分に1〜2枚目の交代カードを切り、セバージョス、ギュレルをベリンガム、カマヴィンガに代えた。
そして68分、マドリーが追加点を決めた。ペナルティーエリア内に侵入したヴィニシウスが、激しくぶつかってきたコメサーニャに倒されてPKの判定。ブラジル人FWがそのままキッカーを務めると、威力のあるシュートを枠内左に決め切っている。ヴィニシウスは今季ラ・リーガ5得点4アシスト。不調や浮き沈みの激しさが指摘されながらも、確かな数字を残している。
しかし73分、ビジャレアルが反撃。途中出場のミカウタゼがペナルティーエリア手前から、振りの速いシュートでネットを揺らした。1点差に詰め寄られた直後、シャビ・アロンソ監督は3つ目の交代枠を使いマスタントゥオノを下げてブラヒムを投入。その後にはマルセリーノ監督のチームが攻勢を強める気配を見せたが77分、ヴィニシウスを肘打ちで倒したモウリーニョが2枚目のイエローカードを受けて退場に。マドリーが数的優位に立った。
10人のビジャレアルに対して攻め込むマドリーは、81分に3得点目。ベリンガムの前線でのボール奪取を起点に二次攻撃を仕掛けると、ペナルティーエリア内、ブラヒムの横パスからエンバペが右足でボールを流し込んだ。エンバペはラ・リーガ8試合9得点1アシスト(今季公式戦10試合14得点)。だが同選手は気試合終了間際、足首を痛めてロドリゴと交代。状態が気になるところだ。
結局マドリーは2点リードのまま試合終了のホイッスルを迎え、ラ・リーガ2試合ぶりの勝利。前半は低調なパフォーマンスだったが、後半に入ってからヴィニシウス、エンバペのダブルエースが活躍を見せて、屈辱のダービーから勝利を取り戻している。マドリーは7勝1敗で勝ち点を21に伸ばし、バルセロナに2ポイント差をつけて暫定首位に浮上した。






