レアル・マドリーFWヴィニシウス・ジュニオールが存在感を失いつつある。
レアル・マドリーの背番号7は今年1月まで好調だった。それまでは27試合で17得点9アシストを記録して、さらにPKを3回奪取と、75.6分毎に1回ゴールに絡む活躍ぶり。2023-24シーズンに記録したキャリアハイとなる24得点も、余裕を持って上回ることが期待されていた。
しかしながら、ヴィニシウスの調子は2月以降に一気に落ちることになる。2月以前の16試合では14得点を記録していたのに対して、2月以降は14試合でわずか2得点。アシストは1、PK奪取数はゼロで、369分毎に1回ゴールに絡んでいる計算だ。
ただ、ヴィニシウスの大きな変化は数字の部分に集中しており、最大の武器であるドリブルについてはそこま錆びついたわけではない。ドリブルについて、2月以前は1試合平均6.56回チャレンジして2.56回成功し、2月以降は6.71回チャレンジして2.64回成功。またチャンスメイク数についても2.04回から1.71回と、微減にとどまっている。とにかく、数字がついてきていないのだ。
その理由に挙げられるのは、FWキリアン・エンバペとの共存の難しさか。新加入のエンバペは右肩上がりに調子を上げており、2月以降には14試合で11得点を決めているのに対して、ヴィニシウスは右肩下がりに結果を出せなくなっている。マドリーのレジェンドで、現在は解説者を務めるホルへ・バルダーノ氏は、先にスペイン『モビスタール・プルス』とのインタビューで、両者の関係性について次のように述べていた。
「彼らはチームプレーとではなく、相手ゴールと最高の関係を築く選手たちだ。分かり合えていないと非難されているが、まず選手としての特徴を見なくてはならない。2人とも素晴らしいスピードの持ち主で、いつだってゴールを意識している」
「私からすれば、彼らは過剰なまでにお互いを探している。パスではなくシュートが求められている場面でさえね。必要以上に探し過ぎだよ」
またスペイン『アス』は、ヴィニシウスがサウジアラビアから破格のオファーを受けている影響を指摘している。同紙はヴィニシウスが調子を落とすタイミングと重なる1月27日に、サウジが年俸320億円の5年契約を用意していることを報じていた。ヴィニシウスは今季終わりにマドリーとの契約延長交渉を詰める予定だが、まだ迷いがあるのかもしれない。
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