15日のラ・リーガ第28節、レアル・マドリーは敵地ラ・セラミカでのビジャレアル戦に2-1で勝利した。
1月3日のラ・リーガ第12節延期分バレンシア戦から毎週2試合ずつこなしてきたマドリー。インターナショナルウィーク前最後の一戦(バレンシア戦から数えて22試合目)の相手はビジャレアルだ。
しかし、さすがはこの超ハードスケジュールの締めくくりという言うべきか、条件は非常に悪い……。PK戦の末に突破を果たした12日のチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦2ndレグ、アトレティコ・マドリー戦からわずか66時間後の一戦と、選手たちのコンディションが気に掛かるところである。アンチェロッティ監督はリュディガー、ヴィニシウスを休ませて、GKクルトワ、DFルーカス・バスケス、チュアメニ、アセンシオ、フラン・ガルシア、MF後列バルベルデ、カマヴィンガ、前列ブラヒム、ベリンガム、ロドリゴ、FWエンバペを先発させた。
前半立ち上がり、ビジャレアルのハイプレスを前にビルドアップがままならないマドリーは、7分に失点を許す。CKからニアサイドにボールが送られ、誰もクリアできないボールをフォイスに枠内に押し込まれた。
ビハインドを負ったマドリーだったが、そこからバルベルデ、カマヴィンガを軸としてビジャレアルを押し込むようになる。そしてエンバペが輝き、前半だけでスコアをひっくり返している。
同点弾が決まったのは16分のこと。エンバペのスルーパスからブラヒムがペナルティーエリア内右に侵入。ブラヒムのシュートは眼前のGKコンデに弾かれたものの、フランス人FWがこぼれ球を右足で叩き、ネットを揺らした。
そしてその6分後、逆転ゴールが決まる。エンバペのスルーパスからバルベルデが右サイドを突破。同サイドでバルベルデからパスを受けたL・バスケスがマイナスのグラウンダークロスを送ると、これがペナルティーエリア中央浅い位置のエンバペに届いた。背番号9は右足でボールをトラップすると、一瞬でシュート態勢に入り再び右足を使ってボールを叩く(並のストライカーならシュートなど打てない圧巻のボディバランスだった)。目の前ではビジャレアル守備陣が体と足の“森”をつくっていたが、ボールはその間を縫うようにして枠内右に収まっている。
エンバペはこの2得点で、今季成績を44試合31得点5アシストとして、30得点の大台を突破。ラ・リーガ得点数を20として、ランク1位のレヴァンドフスキにあと1点まで迫っている。
後半、1点リードのマドリーは堅守速攻をベースに追加点をうかがう。交代カードをあまり切らないことで知られるアンチェロッティ監督はやはり疲労を気にしてか、珍しく次々と選手交代を敢行。62分にブラヒム&アセンシオをヴィニシウス&リュディガー、65分にロドリゴをモドリッチ、83分にバルベルデをギュレルに代えている。
カウンターからゴールを狙うマドリーだったが、ギュレルがシュートをふかしてしまうなど(フリーだったエンバペがパスを出さないことに怒っていた)、最後まで3点目を決められず。だが1点リードを維持したまま試合終了のホイッスルを迎え、疲労困憊の中で迎えたインターナショナル前最後の一戦を勝利で終えた。なお終了直後には、エンバペが両手を膝の上に置いて激しく呼吸するなど、マドリーの面々は体力的に限界であったことを感じさせている。
ラ・リーガ連勝のマドリーは勝ち点を60として、翌日に3位アトレティコ・マドリー(勝ち点56)との直接対決を控えるバルセロナ(勝ち点57)を上回り単独首位に立っている。




