real-madrid-docter-niko-mihici-20250623©SDN

「一番練習して、一番努力する」。レアル・マドリーのメディカルアドバイザーが語るクリスティアーノ・ロナウドがケガをしない理由

レアル・マドリーのメディカルアドバイザーであるニコ・ミヒッチ氏が中心となって、昨年10月にスペインで設立された「Sports Doctors Network(SDN)」。世界最高峰のクラブチームやナショナルチームでの実績を持つ医師たちが集結し、アスリートのパフォーマンス最適化から、一般医療への応用に至るまで幅広く支援を行うことを目的としている。

アジア初となるカンファレンスの開催を前に、同団体CEOであり、レアル・マドリーのチーフ・メディカル・アドバイザーを務めるニコ・ミヒッチ氏がインタビューに応じた。

2018年までクラブドクターとして、クラブの現場で選手たちに向き合っていたミヒッチ氏にとってクリスティアーノ・ロナウドは印象深い選手だったという。

「一番練習する、一番努力する選手でした。ロナウドほど練習をする選手は、他に2、3人しか知りません。練習にも必ず一番に来ますし、練習を終えるのも最後でした」と振り返る。

しかも「一つの練習を本当のゲームのように真剣に取り組む」という側面も際立っていたという。

「6年間、毎日仕事を一緒にしましたが、準備が本当に素晴らしい。フィジカル、メンタル、食事、睡眠すべてにおいてきちんと準備をしてからピッチに来ます。試合に関わるすべての分野でコミュニケーションがきちんと取れる。さらには最新のスポーツ医学と発展にもすごく興味を持っています」

そして、ロナウドがケガをしにくいことにつながっている理由として、「すべての準備がきちんとされているということ、どんな時でも真剣に取り組むこと、そして新しいスポーツ医学に常に強い関心を持っていること。そこがケガをしにくい理由なのではないでしょうか」と3つのポイントを挙げた。

特筆すべき能力の値を記録したなど、ロナウド以外に印象に残っている選手については「一人は選べない」と返答。それぞれが特別なスキルを持っており、「個人としての能力と、チームの中で働く能力。この2つはそれぞれ違うことだと思います」と、データを取得する際に一つのデータが抜きん出ていたとしても、その数値自体が選手の能力とイコールではないと説明した。

real-madrid-docter-niko-mihici-2025062©SDN

「一人は選べない」と何度も前置きしつつも選手名が出てきたのは24-25シーズンを最後にチームを離れるレジェンドだった。「ルカ・モドリッチは、フィジカルポイントですごいと思います。40歳近いのにケガもなく、トップレベルのフットボールを見せていました」と感嘆する。

フィジカル面が年齢に左右されるとすると、若手選手は別な課題があるとする。

「18歳でパーフェクトに仕事をこなす選手もいます。若い選手にはメンタルの準備が大切です。(Rマドリーというビッグクラブで)大きなゲームに向かうときのその精神的な準備が若手選手にとっては一番のチャレンジになります」

30年以上医療に携わり、Rマドリーのアドバイザーの他にもマドリード病院のエグゼクティブ・ヘルス・プログラムのディレクター、イギリス空軍とアメリカ支部NATOの医師、エールフランス航空とKLM オランダ航空のメディカル・アドバイザーなども務めているミヒッチ氏がCEOを務めるSDN。スポーツ医学は進化しており、エリートスポーツ医学の知見をアスリートだけでなく一般の健康増進や福祉に役立てることにも期待がかかる。

【Sports Doctors Network Conference 2025 in TOKYO ̶最先端スポーツ医療を、すべての⼈へー】
■⽇時︓2025年6⽉24⽇(⽕)9:00〜13:45(報道受付8:30〜)
■会場︓東京⼤学 安⽥講堂(〒113-8654 東京都⽂京区本郷7丁⽬31)
■登壇者(予定)︓Sports Doctors Network

Niko Mihic(President and CEO)、Carl-Henrik Heldin(Compliance Officer)、 ⼭⽥早輝⼦(COO/ Head of Asia-Pacific)、Kristofer Jones、Alen Juginovic 、合原⼀幸⽒、稲⽥弘⽒、梅澤⾼明⽒、庄司夏⼦⽒、鈴⽊啓太⽒、⾼島宏平⽒、滝川クリステル⽒、 ⽟井雄介⽒、伊達公⼦⽒、成⽥悠輔⽒、森村國仁⽒、村上由美⼦⽒、⼭崎直⼦⽒ (ゲストは五⼗⾳)

■スケジュール

09:00-09:10 開会の辞(東京⼤学藤井総⻑)
09:10-09:40 基調講演(室伏広治⽒)
09:40-09:50 登壇者撮影

【前半の部】
09:50-10:30 『Sports Doctors Network とは 癌と⾷ 未来をどう設計するか』
10:30-11:10 『エリートメディシンの⼀般活⽤と宇宙医療の未来』

【後半の部】

11:25-12:05 『キャリアを⻑く保つために、選⼿とドクターが果たすべき役割とは』
12:05-12:35 『睡眠とパフォーマンス』
12:35-13:05 『⻭学とパフォーマンス 105年活きるには』
13:05-13:45 『⾷とパフォーマンス 「未病」の医科学から⾒た健康と⾷』『腸内環境と健康寿命』
13:45 閉会

広告

ENJOYED THIS STORY?

Add GOAL.com as a preferred source on Google to see more of our reporting

0