9日にFIFAクラブワールドカップ(CWC)2025準決勝パリ・サンジェルマン(PSG)対レアル・マドリーが行われ、4-0でPSGが決勝進出を果たしている。
2024-25シーズンにクラブ史上初めてチャンピオンズリーグ(CL)を制覇した“現・欧州最強”PSGと、通算15回のCL優勝を誇る“欧州の盟主”レアル・マドリーの対戦である。
ルイス・エンリケ監督率いるPSGはCLに引き続き充実したパフォーマンスでCWC準決勝までたどり着き、一方シャビ・アロンソ監督が率いて間もないレアル・マドリーもこれまで以上に戦術的・組織的なパフォーマンスを見せて可能性を感じさせてきた。シャビ・アロンソ監督はこの大一番で、急性胃腸炎に苦しんだエンバペを今大会初めて先発起用。フランス代表FWに代わり活躍を見せてきたゴンサロもスタメンに残し、2トップにエンバペ、ヴィニシウス、その後方にゴンサロを置く4-3-1-2のシステムを採用している。
前半、PSGは4分にファビアン、5分にデンベレと立て続けに決定機を迎え、レアル・マドリーはGKクルトワが超絶セーブを連発したことで何とか失点を防ぐ。だがクルトワの圧倒的な個人技だけで流れが変えられるほど、PSGは甘くない。ルイス・エンリケ監督が率いて2年が経ち、すでにチームとして成熟しているPSGは、その後もシャビ・アロンソ監督が率いて1カ月ちょっとのマドリーを圧倒。デンベレを急先鋒とする凄まじい強度のハイプレスからDF陣のミスを次々と引き出し、ゴールに昇華していった。
PSGはまず6分に先制点を記録。ペナルティーエリア内のラウール・アセンシオがボールの処理に時間がかかってしまい、詰めてきたデンベレにそれを奪われる。デンベレはすぐさま詰めてくるクルトワを眼前に横パスを出し、ファビアンが右足のシュートでネットを揺らした。出場停止のハウセンに代わり出場したR・アセンシオは、グラウンダーのクロスをすぐさまクリアせずトラップを選択したことで、失点のきっかけとなってしまった。
先制したPSGは、その後も攻撃の手を緩めない。個人プレーに走るきらいがあるエンバペ&ヴィニシウスの併用で前線からの組織的な守備、攻撃がいまいち機能しないレアル・マドリーを攻め立てると、9分に追加点を獲得。デンベレがリュディガーのボールを奪ってDFラインを突破すると、そのままゴール前へと突き進み、冷静沈着なシュートでクルトワとの1対1を制している。PSGはさらに24分、速攻から3点目を記録。ハキミがデンベレとのワン・ツーからペナルティーエリア内に侵入。折り返されたボールをファビアンが受けると、R・アセンシオをフェイントでかわしてから、冷静なシュートでこの日2点目を決めた。0-3とされたシャビ・アロンソ監督は、最初トップ下に位置していたゴンサロを右サイドに移して4-4-2にするなど、中盤の守備に厚みを加えて劣勢を跳ね返そうと試みるが、PSGの優位性が揺らぐことはなく前半終了のホイッスルが吹かれている。
迎えた後半、レアル・マドリーは少し攻勢を強めて、ヴィニシウスの個人技などからPSGの守備を切り崩そうと試みるも、決定的なチャンスを創出するまでには至らない。シャビ・アロンソ監督は64分に選手交代を敢行し、ベリンガム、ヴィニシウス、R・アセンシオを下げてモドリッチ、ブラヒム、そして長期離脱から復帰したミリトンを投入。また70分にはゴンサロとの交代で、ミリトン同様に重傷から復活を果たしたカルバハルをピッチに立たせている。
しかしレアル・マドリーはその後も効果的な攻撃を仕掛けられず、1点を返すこともできない。シャビ・アロンソ監督は84分、ギュレルとの交代でルーカス・バスケスをCWC初起用。そして88分、PSGがダメ押しとなる4点目を決めた。ハキミの右サイド突破を起点にしてペナルティーエリア内に攻め入ると、バルコラのお膳立てから最後はゴンサロ・ラモスがネットを揺らしている。結局、PSGがパフォーマンスでもスコアでも圧倒的な差を見せつけて、決勝進出を果たしている。
なおレアル・マドリーはモドリッチとルーカス・バスケスが、このPSG戦を最後に同クラブを後にすることになる。






