22日のクラブワールドカップ・グループH第2節、レアル・マドリー(スペイン)対パチューカ(メキシコ)は3-1でマドリーの勝利に終わった。
第1節アル・ヒラル戦を1-1のドローで終え、グループ突破のために勝利を求めるマドリー。これが就任2試合目となるシャビ・アロンソ監督はスタメンを1人だけ変更し、アル・ヒラル戦で後半から出場して好パフォーマンスを見せたギュレルをロドリゴに代わって先発させた。全スタメンはGKクルトワ、DFトレント、ラウール・アセンシオ、ハウセン、フラン・ガルシア、MFギュレル、チュアメニ、ベリンガム、FWバルベルデ、ゴンサロ、ヴィニシウス。エンバペは急性胃腸炎で2試合連続で欠場となった。
前半、マドリーは立ち上がりからパチューカの1トップ、サロモン・ロンドンの対応に苦慮し、7分に数的不利に陥った。アセンシオがロンドンの突破を許してしまうと、リカバリーしようとペナルティーエリア手前でパチューカFWを後ろから引っ張り、主審がこれをファウルと判定。アセンシオはDOGSO(決定的な得点機会の阻止)で一発退場を命じられた。10人のマドリーはチュアメニがアセンシオに代わってセンターバックを務め、バルベルデが前線から中盤に下がって4-4-1となった。
その後マドリーは、ボールこそ保持するものの攻めあぐね、ロンドンを起点としたパチューカのカウンターにも苦戦。19分にはロンドン、ケネディと立て続けにシュートを放たれたが、この場面ではクルトワが立て続けに好セーブを見せて、何とか危機を脱している。
厳しい試合を強いられるシャビ・アロンソ監督は、30分のクーリングブレイクで選手の配置を変更。ヴィニシウスを1トップ、そこに位置していたゴンサロを左サイドハーフと、両者のポジションを交換している。
このポジション交換の意図が、ヴィニシウスよりも守備をするゴンサロに何度か破られていた左サイドを守らせる意図だったのか、それとも攻撃における効果を狙ってのことだったのかは分からない。いずれにしろマドリーは、35分に左サイドからの攻撃で先制。中盤でバルベルデが縦パスを出すと、ゴンサロが気の利いたワンタッチヒールで前方にボールを送り、フラン・ガルシアが左サイドを突破。フラン・ガルシアの折り返しを受けたベリンガムがそのままペナルティーエリアに入り込み、左足のシュートを対角線上に決め切った。
数的不利ながらも先制したマドリーは、43分に加点する。ヴィニシウスのサイドチェンジを受けたトレントが、ペナルティーエリア内のゴンサロに横パス。パチューカDF陣を引きつけるゴンサロは、ワンタッチのパスで飛び込んできたギュレルにボールを渡し、トルコ代表MFが利き足とは逆の右足のシュートでネットを揺らした。なおゴンサロはアル・ヒラル戦のゴールに続き、この試合では1ゴール目の起点、2ゴール目のアシストと、ここまでの3得点にすべて絡んでいる。マドリーはホセルのようなポストプレーも得意な9番の選手を求めているとされるが、21歳のBチームFWがそうなる可能性は十分にありそうだ。
シャビ・アロンソ監督はハーフタイム、怪我か戦術的意図かは不明だが、そんなゴンサロとの交代でブラヒムを投入。迎えた後半、2点をリードするマドリーはプレーリズムを落として、パチューカの攻撃を受け止めながら速攻を中心に追加点を狙う(パチューカの惜しいシュートは、ことごとくクルトワが防いでいた)シャビ・アロンソ監督は60分に再び交代カードを切り、ギュレル、ベリンガムをセバージョス、モドリッチのプレーメーカー2枚に代えて、もう少しゲームをコントロールしようと試みる。
そうして70分、マドリーが3点目を獲得した。ハウセンのフィードからヴィニシウスが左サイドを突破し、ペナルティーエリア手前右のブラヒムにパス。ブラヒムがエリア内の浮き球を送ると、飛び込んだバルベルデが右足で枠内に押し込んでいる。
3-0としたシャビ・アロンソ監督は78分、右サイドバックのトレントとの交代で負傷明けのリュディガーを投入し、ハウセン、チュアメニとともにセンターバックを務めさせる。1人少ない状況の守備固めではあるが、彼の基本システムと言える3/5バックをマドリーで初めて使用している(なおウィングバックは右がバルベルデで左がフラン・ガルシア)。
だが80分、マドリーは逃げ切りを図った指揮官の意思に反して、エリアス・モンティエルに強烈なミドルシュートを突き刺され、1点を返される。しかしそれ以上はパチューカのゴールを許すことなく、2点リードのまま試合終了のホイッスルを迎え、シャビ・アロンソ監督体制&CWC初勝利を飾った。
第2節のもう1試合ザルツブルク対アル・ヒラルの消化前、グループHの暫定順位は1位マドリー(勝ち点4)、2位ザルツブルク(勝ち点3)、3位アル・ヒラル(勝ち点1)、4位パチューカ(勝ち点0)となっている。


