9日のチャンピオンズリーグ（CL）準々決勝1stレグ、サンティアゴ・ベルナベウを舞台としたレアル・マドリー対マンチェスター・シティは3-3のドローで終了した。
レアル・マドリーとシティ、シティとマドリー……CLで4シーズン連続の対戦となる、現代フットボールのクラシックマッチだ。2シーズン前の準決勝では1stレグ4-3でシティ、2ndレグ3-1でマドリーが勝利し、劇的に決勝進出を決めたマドリーが通算14回目の優勝を果たした。また昨季準決勝では1stレグ1-1ドロー、セカンドレグ4-0でシティが勝負を制して、こちらは史上初の優勝を成し遂げている。
CL最多王者が現CL王者のホームに迎えたこの一戦は「あなたがつくってきた歴史、これから私たちがつくっていく歴史」というマドリーの歌の一節が横断幕として掲げられた後にキックオフを迎え、それから3分後にすぐさまゴールが決まった。先制点を決めたのは、シティである。
グリーリッシュがチュアメニに倒されてペナルティーエリア手前左でフリーキックを獲得。キッカーのベルナルド・シウバが左足で叩き地を這ったボールは、壁の外から枠内左隅へと向かっていき、意表を突かれたGKルニンの手をかすめてネットを揺らしている。
あまりにもあっさりとゴールを決めたシティはその後、何をすべきかを迷ったようにレアル・マドリーの反撃を受けて、後方に下がってしまう。するとマドリーが試合開始から15分も経たぬ内に、彼ららしく、あっという間にスコアをひっくり返してしまった。
レアル・マドリーはまず12分、自らペナルティーエリア手前までボールを持ち込んだカマヴィンガがミドルを放ち、ルベン・ディアスに当たってコースが変わったボールが枠内に飛び込み同点に追いつく。さらに13分にはカウンターを仕掛けて、ヴィニシウスのスルーパスからロドリゴがエリア内左に侵入。放ったシュートはGKオルテガのかかとに軽く触れて、GKオルテガの横を転がり枠に収まった。
マドリーは引き過ぎたシティにミドル、追いつかれて攻撃に出てきたシティには天下の宝刀カウンターをお見舞いして、わずか2分で逆転を達成したのだった。
その後レアル・マドリーは、ボールを保持して攻め込むシティを相手に速攻を中心に追加点を狙っていく。アンチェロッティ監督はこの日、中盤に（右から）バルベルデ、カマヴィンガ、クロース、ロドリゴ、前線にベリンガム、ヴィニシウスを並べる4-4-2を採用したが、ヴィニシウス、そして彼の存在によって苦手な右サイドでのプレーを強いられてきたロドリゴをともに左に据えられる同システムは、複雑だったパズルの唯一無二の解のように見事にはまった。ブラジル人コンビは左サイドで、抜群の技術とスピードと連係を武器に強力無比なカウンターを発動し、シティゴールを幾度も脅かしている。
試合は2-1のまま後半に突入し、シティがポゼッション、レアル・マドリーがカウンターからゴールを狙う展開が続く。そして次にゴールを決めたのは……シティだった。66分、ペナルティーアーク付近でボールを持ったフォーデンが左足を一閃。強烈な勢いのボールが枠内左隅に突き刺さった。
シティの冷や水を浴びせる一撃にベルナベウはしばし沈黙し、徐々に勝ち越しに向けて熱気を取り戻していったが、71分にシティの第二の水、第二のミドル砲が決まった。ペナルティーエリア手前のグヴァルディオルが右足を振り抜き（クロースのマークが若干甘かった）、こちらは枠内右隅に突き刺さっている。
ミドル2発で再逆転を許したアンチェロッティ監督は、72分にクロース、ロドリゴとの交代でモドリッチ、ブラヒムを投入。その後もベルナベウは盛り上がりを欠く状況が続いたが、しかしレアル・マドリー自身が観客のハートに火をつけた。79分、3-3とする同点ゴールが決まる。左サイドのヴィンシウスがふわっとしたクロスをペナルティーエリア内右に送ると、そこに飛び込んできたバルベルデが強烈な右足ボレーでオルテガを破っている。
試合終盤は、再び熱烈な声援を受けるようになったマドリー、またシティのどちらもボール保持権とゴールを求めたが（なおグアルディオラ監督はベンチスタートとしたデ・ブライネを最後まで起用せず。その後の説明によれば胃腸に問題を抱えていたとのこと）、ともに4点目を決められず試合終了のホイッスルが吹かれた。なおシティの本拠地エティハド・スタジアムでの2ndレグは、17日に行われる。
■試合結果
レアル・マドリー 3-3 マンチェスター・C
■得点者
レアル・マドリー：ルベン・ディアス（12分、OG）、ロドリゴ（13分）、バルベルデ（79分）
マンチェスター・C：ベルナルド・シウバ（2分）、フォーデン（66分）、グヴァルディオル（71分）
