シャビ・アロンソ監督(43)が新たに率い、より戦術的なプレーが際立つチームとなったレアル・マドリー。彼らが“生まれ変わった”理由を、スペイン人ジャーナリストが解説する。
世界トップレベルの選手たちが集うレアル・マドリーは、選手たちの個の力を生かすことが何よりも大切で、下部組織出身選手たちが多くいるバルセロナとは違って組織的なプレーを植え付け、成功を収めることは難しいというのが通説だった。
だがクラブワールドカップからチームを率いるシャビ・アロンソ監督はここまで、レアル・マドリーに非常に組織的なプレーをさせている。守備では、ハイプレスを仕掛けること含め選手たち全員を例外なく走らせ、なおかつ各ラインが間延びしないコンパクトな守備ブロックを実現。攻撃では、的確かつ流動的なポジショニングによって相手陣地でスペースを生み出し、チャンスを量産している。今のレアル・マドリーは非常に戦術的であり、“勝つ”以外のプレーアイデンティティーが確立されつつあるようだ。
しかし、なぜシャビ・アロンソ監督はレアル・マドリーをそのような組織的なチームに仕立て上げることができるのだろうか。スペイン人ジャーナリストのアクセル・トーレス氏は、その理由として同指揮官の現役時代のステータスや若さを強調。シャビ・アロンソ監督が世界最高の司令塔の一人に挙げられた名選手であり、引退したのが2017年とマドリー在籍選手たちがリアルタイムでその活躍を目にしていたことで、彼らを従わせる威光を備えているとの見解を示した。
「レアル・マドリーでは、戦術的に洗練されたプレーを実践しようとするタイプの監督は、“管理者”タイプのようには機能しないと言われてきた。だがシャビは洗練されたプレーを志向する監督で、それが機能している」
「なぜシャビが機能するかというと、彼はここ最近に引退したばかりのレジェンドだからだ。それゆえに選手たちは彼の言うことに耳を傾けるんだよ」
「もちろん、シャビが戦術的ディテールにこだわらず成功を収めてきた監督より優れていると言いたいわけではない。ほかよりも戦術やディテールを重視する監督がいて、シャビはそれにあたる人物だ。そして彼はレアル・マドリーであっても、そうしたプレーを実践できるということなんだよ」
なおレアル・マドリーは9日にクラブワールドカップ準決勝パリ・サンジェルマン戦に臨む。同じく組織的なチームとして知られる現チャンピオンズリーグ王者との対戦は、新生マドリーにとって一つの試金石となりそうだ。






