レアル・マドリーとの契約延長がかなわなかったモドリッチ…ペレス会長までその退団スピーチを聞いた涙
今季限りでレアル・マドリーを退団するMFルカ・モドリッチ(39)が24日、本拠地サンティアゴ・ベルナベウでの最後の一戦を終えた。試合後のスピーチでは、フロレンティーノ・ペレス会長の心も揺さぶるものだったようだ。
2021年からレアル・マドリードと1年ずつ契約を延長してきたモドリッチは、「ここで引退したい」と常々公言してきた同クラブとの契約をもう1年だけ更新し、クロアチア代表として2026年ワールドカップに臨んだ後、スパイクを脱ぐ考えとされた。しかしながらペレス会長らレアル・マドリー首脳陣は、今季を無冠で終えたこともあり、若手や新加入選手にさらなる出場機会や責任を与えるためにモドリッチとの契約を延長しないことを決断したようだ。
こうして24日のラ・リーガ最終節、本拠地サンティアゴ・ベルナベウでのレアル・ソシエダ戦は、モドリッチが同スタジムで戦うラストゲームとなり、試合終了後には同じく今季限りでクラブを後にするアンチェロッティ監督とともに退団セレモニーが開かれている。
アンチェロッティ監督の後にマイクを取ったモドリッチは、次のようなスピーチを行った。
「絶対にやって来てほしくない瞬間が、ついに訪れてしまったね。長い旅だったが、素晴らしかった」
「まず最初に、クラブに感謝を伝えたい。フロレンティーノ・ペレス、これまでチームを率いてきたすべての監督、この道をともに歩んでくれたチームメートたち、ずっと僕を支えてくれた人々に……。同様に、家族にも感謝をさせてほしい」
「僕たちはたくさんの勝利を手にしてきた。いくつもの素晴らしい瞬間を経験してきた。たくさんのトロフィーを掲げてきた。でもね……最も大切なトロフィーは、あなたたちが僕にくれた気持ち、愛情だったんだ。感謝の言葉が見つからないよ」
「最後に、好きな言葉を一つだけ言わせてほしい」
「終わったことに泣かないで。それが起こったことに笑おうよ」
「アラ・マドリー・イ・ナーダ・マス(マドリー万歳、それ以上にものはない)。ありがとう」
『レアル・マドリーTV』はモドリッチのこのスピーチの直後、貴賓席のペレス会長を映し出したが、同会長は口を開きながら拍手をし続けるなど、その顔つきは感動によって大きく乱れていた。
ペレス会長の表情は、スペインメディアでも大きく取り上げられることに。『アス』電子版が「今年一番の映像。モドリッチのスピーチを聞いてフロレンティーノが涙を流した」「フロレンティーノが最後に浮かべた表情は、今まで決して見たことがなかったもの」、『DAZN NEWS』が「モドリッチがどれほどのレジェンドかが分かる場面だった。フロレンティーノまで彼の退団に涙をしたのだ!」、『ABC』電子版が「フロレンティーノ、感動で泣いてしまう」と報じている。
普段は冷静沈着で、モドリッチとの契約を延長しないことを決断(または幹部たちの進言を容認)したとされるペレス会長だけに、あの表情はスペインでも大きな驚きでもって受け止められたようだ。それと同時にクラブの最善を考え、断腸の思いでモドリッチに別れを告げたこともうかがわせている。




