スペインプロリーグ機構ラ・リーガのハビエル・テバス会長が、攻撃的な言葉を用いてスペインフットボールの審判制度の改革を要求したレアル・マドリーを訴える意向を明かしている。
ラ・リーガ第22節のエスパニョール戦を0-1で落としたレアル・マドリーは、同試合でFWヴィニシウス・ジュニオールのゴールが取り消され、FWキリアン・エンバペに悪質なタックルを仕掛けたDFエリック・ロメロが退場とならなかったことを受けてスペインフットボール連盟(RFEF)およびスペイン政府のスポーツ上級委員会(CSD)に書状を提出した。
これまでにも自分たちの公式テレビチャンネル『レアル・マドリーTV』を用いて、苛烈な審判批判を展開してきた同クラブは、書状に「このコンペティションは操作・汚染されている」「レアル・マドリーに対してダブルスタンダードの判定がある」「審判制度については表面的ではなく抜本的な改革が必要だ」といった記載。その過激な内容と要求から、スペインフットボールの審判問題について“以前と以後をつくる戦争を仕掛けた”と報じられている。
この書状が提出された翌日、ラ・リーガ所属クラブとRFEF、またRFEF管轄の審判統括組織である審判技術委員会(CTA)は、かねてから予定されていた会議を開催。レアル・マドリーの代表者が欠席した中で行われたその会議で、同クラブの振る舞いを拒絶し、対抗手段を講じることが話し合われている。
スペイン『マルカ』曰く、レアル・マドリーの振る舞いを最も強いトーンで拒絶したのは、セビージャのデル・ニド・カラスコ会長、アトレティコ・マドリーのミゲル・アンヘル・ヒル・マリンCEO。また会議に参加したほぼすべてのクラブが、レアル・マドリーが『レアル・マドリーTV』を用いて審判批判を展開し続けていることに憤りを表したという。その一方でヘタフェのアンヘル・トーレス会長だけが、レアル・マドリーがRFEFらに提出した書状に賛同しているようだ。
そして昨年末からRFEFの副会長も務めているラ・リーガのテバス会長は、会議終了後に報道陣の取材に応じ、今回の件でレアル・マドリーを訴える意思を公にしている。
「マドリーはコンペティション(ラ・リーが)に打撃を与えようとしている。彼らは先日の書状を結末とする、一つのつくり話をでっち上げた。彼らは常軌を逸した、被害者意識も甚だしい物語をつくったんだ」
「私の意見では、彼らはコンペティションに打撃を与えたいんだよ。ラ・リーガは操作も汚染もされていない」
「もちろん、私たちは彼らを訴える。先に『レアル・マドリーTV』を訴えたようにね。あの書状を記した人物か、それともクラブ首脳陣全体を訴えるのかは今後を見てみよう。とにかく、ああした書状を許容してはならない。そこには虚偽も中途半端な真実も含まれるのだから。そして試合を熱くしているのは、『レアル・マドリーTV』にほかならないんだ」
レアル・マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長と犬猿の仲で知られるテバス会長だが、今後和解することは難しいのだろうか。
「彼はいつも自分が正しくなければ許せないんだ。彼にとっての解決方法は、私たちがACS(ペレス会長が代表者を務める建設会社)のオフィスに赴き、彼にひざまずいて『申し訳ありませんでしたフロレンティーノ。あなたは本当にフットボールの救世主でした。これまで気付くことができませんでした』と言うこと以外にないんだよ」
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