レアル・マドリーは20日にコパ・デル・レイ4回戦(ベスト16)、敵地マルティネス・バレロでのエルチェ戦に臨み、2-1の勝利を果たした。
スペイン・スーパーカップ優勝によって、2年ぶりにタイトル獲得を味わったレアル・マドリー。直後に行われるこの一戦で、アンチェロッティ監督はベンゼマに休みを与えて招集外とし、GKルニン、DFルーカス・バスケス、ナチョ、アラバ、マルセロ、MFバルベルデ、カマヴィンガ、クロース、FWロドリゴ、ヨヴィッチ、ヴィニシウスを先発させた。
前半は均衡した、ともすればエルチェがリードを得てもおかしくなかった内容に。速攻をベースとするホームチームは11分、ダイアゴナルパスからホサンが右サイドを突破して、その折り返しにカリージョが合わせた。が、無人のゴールにボールを押し込むだけという状況ながら、それを枠外へ飛ばしてしまい千載一遇のチャンスを逃している。
対するマドリーはボールこそ保持するものの、決め手となるプレーを欠き続ける。エルチェの決定機でダイアゴナルパスをカットし切れなかったマルセロは、股抜きからペナルティーエリア内に侵入するなど攻撃では存在感を発揮したが、それでも点にはつながらずスコアレスのまま試合を折り返した。
後半も、マドリーがエルチェの堅守に苦戦する状況は変わらない。アンチェロッティ監督は71分にカマヴィンガ、バルベルデを下げてカセミロ、モドリッチを投入。さらに79分にはヨヴィッチをイスコに代えた。中盤に黄金トリオを揃えたマドリーはエルチェを攻め立てるようになるが、最後の詰めで精度を欠き続け、結局延長戦に臨むことになった。
延長戦開始前、アンチェロッティ監督はロドリゴとクロースを下げてアザールとセバジョスをピッチに立たせる。こうして迎えた延長前半はエルチェがフリーキックからグンバウ(ルニンがセーブ)、マドリーが速攻からカセミロ(枠外)と互いに決定機を迎えるオープンな展開となった。
そして102分、エルチェの速攻でマルセロがテテを後方から倒したとして一発退場に。このフリーキックからベルドゥが直接ゴールを狙うと、壁のアラバに跳ね返ったボールがまたベルドゥの足元に転がり、再び打ったシュートがセバジョスに当たって枠内に吸い込まれた。エルチェが10人のマドリー相手に先制している。
数的にもスコア的にも不利に立ったマドリーだったが、延長後半の108分に意地を見せた。流れるようなトランジションで中央のセバジョス、やや左のヴィニシウス、左のカセミロとボールをつないでいき、カセミロのグラウンダーのクロスからセバジョスがシュート。さらにイスコがこのシュートのコースを変えて、枠内に押し込んだ。
10人で同点に追いついたマドリーは115分、逆転までも達成してしまう。左サイドのアラバが出したスルーパスからアザールが最終ラインを突破。そのままゴール前まで前進すると、GKヴェルネルもかわして、無人のゴールにボールを押し込んでいる。マドリーは1点リードのまま試合終了のホイッスルを迎え、あまりに“らしい”逆転劇で準々決勝進出を果たした。




