KroosGetty Images

「伝説よ、ありがとう」現役引退のレアル・マドリーMFクロースが最後のホーム戦終える…その目からは涙があふれる

25日のラ・リーガ最終節、レアル・マドリーは本拠地サンティアゴ・ベルナベウでのベティス戦をスコアレスドローで終えている。

今季ベルナベウで行われる最後の一戦であり、34歳という若さながら今季限りでの引退を選んだクロースが、同スタジアムでプレーする最後の一戦……。ベルナベウの南スタンドには白黒のクロースの姿とともに「グラシアス・レジェンダ(伝説よ、ありがとう)」とのメッセージが記された大横断幕が掲げられている。

アンチェロッティ監督はチャンピオンズリーグ(CL)決勝ボルシア・ドルトムント戦前、最後の試合でもあるこのベティス戦で、GKクルトワ、DFカルバハル、リュディガー、ナチョ、メンディ、MFバルベルデ、カマヴィンガ、クロース、ベリンガム、FWロドリゴ、ヴィニシウスをスタメンで起用。ただ自分たちがラ・リーガで優勝を決めており、ベティスがヨーロッパカンファレンスリーグ出場圏7位を確定させている状況だけあって、試合は緊張感に欠けた雰囲気で進んでいった。

ボールを保持するマドリーはヴィニシウス、ロドリゴの2トップの攻撃力を生かしながら点を狙うが、最後の詰めで精度を欠き続けた。対するベティスは38分、フリーキックの流れからカルドーソがネットを揺らしたものの、その 直前にマルク・ロカがオフサイドポジションに位置していたとして、オンフィールドレビュー確認後にゴールが取り消されている。

試合はスコアレスのまま後半に投入し、マドリーはクルトワが好守を連発。CL決勝でルニンとポジションを争うベルギー代表GKは、50分にアヨセの枠を捉えるミドルシュートを見事防ぎ、さらに60分にはミランダとの1対1を凄まじい反応速度の横っ飛びで弾いている。

アンチェロッティ監督は63分に交代カードを切り、クルトワとナチョを下げてケパとミリトンを投入。さらに73分にはカマヴィンガとカルバハルをモドリッチとルーカス・バスケスに代えた。

マドリーはその後、今季はほとんど一緒にプレーしなかったクロースとモドリッチを中心としたゲームメイクでゴールを目指す。85分に迎えたペナルティーエリア手前からのフリーキックでは、クロースが直接ゴールを狙ったものの、これは惜しくもGKビエイテスの横っ飛びに阻まれている。

そして86分、ついにその時がやってきた。アンチェロッティ監督はセバージョスとの交代でクロースをピッチから下げる。ベルナベウ全体がスタンディングオベーションをする中、クロースはチームメートたち一人ひとりと抱擁を交わして、スタンドに拍手をしながら現役の選手としてはもう二度と立つことのないピッチを後にしている。ベンチに戻った後、クロースは3人の子供たちを次々に抱きかかえながら涙を流していた。

マドリーは最後まで攻め続けたものの、結局ゴールを奪うことはかなわず、スコアレスのまま試合終了のホイッスルを聞いている。

ベルナベウは試合終了後もクロースのお別れ会が続いている。レアル・マドリーの4回のチャンピオンズリーグ優勝(バイエルン時代含めれば5回優勝)に貢献するなどして、フットボール界の伝説のゲームメーカーとなった男は、まずピッチ中央でチームメートから胴上げされ、その後には応援団席がある南スタンドに子供たちと一緒に向かい、そこでさらなる大喝采と自身のチャントをその身に浴びていた。そうしてスタジアムを一周してから、ロッカールームへと続くトンネルへと入ったクロースは、その間ずっと左胸にあるマドリーのエンブレムを叩き続け、最後の最後まで白いクラブへの忠誠を誓っていた。

広告

ENJOYED THIS STORY?

Add GOAL.com as a preferred source on Google to see more of our reporting

0