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6月1日にチャンピオンズリーグ(CL)決勝レアル・マドリー(スペイン)対ボルシア・ドルトムント(ドイツ)が行われ、2-0でマドリーが勝利を果たした。
ここ10シーズンで6回目、通算では15回目のCL優勝を狙うレアル・マドリーと、1996-97シーズン以来となる2回目の戴冠を目指すドルトムントの対戦。1998年以降に臨んだ8回の決勝ですべて勝利し、“欧州の盟主”とも呼ばれているマドリーは圧倒的な本命と目されたが、しかし欧州最高のチームを決める一戦が簡単なものであるはずがない。少なくとも前半は、完全なるドルトムントペースで進んでいった。
ドルトムントはボールを保持するレアル・マドリーの攻撃を堅守で跳ね返し、鋭い速攻から先制点を狙う。とりわけ20分過ぎの勢いは凄まじく、黄色いサポーターたちは期待の叫び声を何度も上げることになった。ただ、その度に白いサポーターたちは安堵のため息をもらしている。
そう、レアル・マドリーは最後のところでゴールを許さなかった。ドルトムントは22分、アデイェミがマドリーのDFラインを突破したが、GKクルトワとの1対1でもたつきシュートを決め切れず。また24分にはフュルクルクがペナルティーエリア内に侵入したものの、こちらのフィニッシュはポストを直撃。さらに28分には再びアデイェミが決定機を迎えながらも再びクルトワの好守に遭った。ドルトムントは41分にもザビッツァーのシュートがクルトワに止められ、決定力不足とマドリー守護神の存在によって、結局スコアを動かせず試合を折り返している。
スコアレスで迎えた後半、レアル・マドリーの攻撃は少しだけ改善されたが、それでも明確な決定機を迎えるまでには至らない。しかしながらCKの数を増やしていくと、74分にそこから固く閉ざされていたゴールの扉をこじ開けた。左CKの場面で、これがマドリー最後の試合となるクロースがニアサイドにクロスを送ると、そこで待ち受けていたのがカルバハル。身長173センチ、現在32歳のマドリーの下部組織出身DFは、送られてきたボールに飛び上がって頭で合わせ、枠内左に流し込んでいる。
その類い稀な勝負強さを発揮して、ついにリードを得たレアル・マドリーは、攻めに出ざるを得ないドルトムントを相手に速攻を中心に追加点を目指していく。すると83分、2シーズン前のCL決勝リヴァプール戦(1-0)で決勝点を決めたヴィニシウスが、勝負を決するゴールを決めた。マートセンのパスミスを拾ったベリンガムの横パスから、フリーでペナルティーエリア内左に入り込んだマドリーの7番は左足でシュートを放ち、地面に叩きつけられて浮かんだボールが枠内に吸い込まれている。
アンチェロッティ監督はリードを2点とした後、ベリンガム、クロース、ロドリゴを下げてホセル、モドリッチ、ミリトンをピッチに立たせる。終盤、レアル・マドリーはドルトムントの意地の攻撃を跳ね返し続けて、無失点のまま終了のホイッスルを聞き、2シーズンぶり通算15回目のCL優勝を達成。とりわけ前半はドルトムントに一方的に押し込まれるなど、試合を通したパフォーマンスは微妙だったかもしれないが、それでもクルトワの好守やCKからの一発で勝負の流れを引き寄せてしまうのが、彼らの強さなのだろう。
改めて“欧州の盟主”であることを、CLを獲得するマシーンであること示したレアル・マドリー。彼らに次ぐ優勝回数を誇るクラブはミラン(7回)、バイエルン&リヴァプール(6回)、バルセロナ(5回)と、15回の優勝はまさに圧倒的だ。またカルバハル、ナチョ、モドリッチ、クロースは通算6回目の優勝となり(クロースのそのうち1回の優勝はバイエルンで)、元マドリーの故パコ・ヘント氏が保持する最多優勝記録に並んでいる。




