22日のチャンピオンズリーグ(CL)・リーグフェーズ第7節、レアル・マドリー対ザルツブルクは5-1でマドリーの大勝に終わった。ザルツブルクMF川村拓夢はベンチスタートとなり、82分から出場している。
CLベスト16ストレートインの望みをつなぐために勝利がほしいマドリーと、勝利しても他試合の結果次第でリーグフェーズ敗退が決まるザルツブルクの一戦。マドリーのアンチェロッティ監督は、GKクルトワ、DFバルベルデ(ルーカス・バスケスは出場停止)、ラウール・アセンシオ、リュディガー、メンディ、MFモドリッチ、セバージョス、ベリンガム、FWロドリゴ、エンバペ、ヴィニシウスを先発で起用した。
前半、立ち上がりにペースを握ったのはザルツブルク。組織的なプレッシングとビルドアップでマドリーを後手に回らせて、9分にはグルークが決定機を迎えた(枠の右に外れる)。
だが、マドリーは押されていようが関係ない。流れをいきなり断ち切って、相手にとっては理不尽この上ない形でゴールを決めるのだ。
今回、その瞬間は23分のカウンターから訪れた。自陣のセバージョスが送ったフィードを敵陣の左サイドに位置するエンバペが受け、エンバペがすぐ前方のヴィニシウスにスルーパス。ヴィニシウスは自らボックス内に切り込まずクロスを選択し、ファーに飛び込んだロドリゴが右足のダイレクトシュートを決め切っている。
先制したマドリーはその後、ポゼッション(ザルツブルクはモドリッチ、セバージョス、ベリンガムからなかなかボールを取れなくなる)とカウンターを織り交ぜて追加点を狙う。そして34分、ロドリゴが再びゴラッソを決めた。
左サイドに流れていたロドリゴがベリンガムにボールを預けてボックス内に走り出すと、ベリンガムが右足ヒールでリターン。ロドリゴはこの天才的のパスに負けじと右足ダイレクトで高精度のシュートを放ち、見事に枠内右に収めている。前半は2-0で終了した。
迎えた後半、マドリーはCL敗退が決まったも同然のザルツブルクを相手に、リーグフェーズ突破のためのゴールを“稼いでいく”。3点目を決めたのは48分のこと。カウンターからロドリゴの縦パスを受けたエンバペがDFラインの突破を目指すも、ボールはGKブラスヴィヒの足元に。しかしエンバペは、不用意な動きを見せるザルツブルク守護神からボールを奪い、無人のゴールにそれを流し込んでいる。エンバペは公式戦19得点目で、ここ11試合では9得点という暴れっぷりだ。
マドリーは55分に4点目を記録。モドリッチの絶妙な右足インサイドのスルーパスからヴィニシウスが左サイドを突破。ボックス内に切れ込む背番号7は2人をかわしてから右足でシュートを放ち、枠内右のサイドネットを揺らしている。
アンチェロッティ監督は4-0とした後に交代カードを切り始める。まず64分にベリンガム、セバージョスとの交代でギュレル、アラバを投入。アラバをセンターバック、ラウール・アセンシオを右サイドバック、バルベルデをアンカーとした。また72分にはエンバペとロドリゴも下げてブラヒムとエンドリッキをピッチに立たせている(交代で退く選手は全員が大喝采を浴びせられていた)。
マドリーは77分にマニータ(5得点)を達成。再びカウンターからバルベルデがボールを持ち込み、ボックス手前でスルーパスを受けたヴィニシウスが、左足でボールを枠内に流し込んでいる。アンチェロッティ監督は78分に最後の交代カードを切り、リュディガーとの交代で下部組織のハコボを入れた。
対してザルツブルクのレッシュ監督は82分に川村を投入。日本代表MFは5-4-1の左サイドハーフを務めた。
川村を入れたザルツブルクは85分、右サイドの崩しからビストルップがボレーシュートで1点を返す。しかし勢いは続かず、マドリーがボールを保持して攻勢を見せながら試合終了のホイッスルを迎えている。川村は自チームが圧倒的劣勢の中で、存在感を見せることができなかった。
リーグフェーズの成績を4勝3敗としたマドリーは勝ち点12で16位に位置。CLベスト16プレーオフ出場は確定させ、ストレートイン圏内の8位レヴァークーゼンとの差を1に縮めている。