4日のラ・リーガ第34節、レアル・マドリーは本拠地サンティアゴ・ベルナベウでのセルタ戦を3-2で制した。
バルセロナとのコパ・デル・レイ決勝を延長戦の末に落としたマドリーは、残り5節となったラ・リーガでも宿敵に追い込まれている。次節にクラシコを控える状況で、首位バルセロナとは暫定で勝ち点7差……少なくとも勝ち点4差を維持しなければ逆転優勝の望みががなくなる状況で、この好調のセルタとの一戦は「負ければ死に、勝てば生きる延びる」ものとなる。
アンチェロッティ監督は、攻守の安定が取れないと指摘され続けたエンバペ、ヴィニシウス、ベリンガム、ロドリゴのクアトロ・ファンタスティコ(ファンタスティック・フォー)の同時起用を4試合連続で行わず。これまでの3試合ではエンバペが負傷離脱や怪我明けだったが、今回はロドリゴが体調不良で招集外となった。
イタリア人指揮官はまた、負傷者続出のセンターバックにはラウール・アセンシオ、そしてチュアメニを起用。マドリーの全スタメンはGKクルトワ、DFルーカス・バスケス、チュアメニ、アセンシオ、フラン・ガルシア、MF後列セバージョス、バルベルデ、前列ギュレル、ベリンガム、ヴィニシウス、FWエンバペで、4-2-3-1のシステムを使用している。
バランスの良いシステムを使うレアル・マドリーだが、前半はゲームをコントロールして攻めるというより、セルタのチャンスを許しながらも、それぞれが抜群のクオリティーを発揮する内容だった。最初にスーパーな選手であることを示したのはクルトワ。6分、マルコス・アロンソに1点もののシュートを許したが、守護神が圧倒的な反射神経で枠内に入るのを断固拒絶している。
その後、ボールを保持しても明確な攻撃・連係の形を見つけられないでいたマドリーだったが、33分に再び個の力が爆発して先制点を獲得。トルコの天才・ギュレルが一撃を見舞っている。
右CKの場面で、キッカーを務めたギュレルはシュートコーナー選択。ルーカス・バスケスとのワン・ツーからペナルティーエリア内右に入り込んだ背番号15は、そこから対角線上を狙って左足を一閃。思い切り叩かれたボールは、まず飛び上がったボルハ・イグレシアスの両足の間を通り、そこからどんどん高度を上げながら真っ直ぐ伸びて、枠内左のサイドネットに突き刺さっている。ギュレルは今季公式戦5ゴール目。
先制したマドリーは39分、守護神とエースの活躍によって加点した。ボルハ・イグレシアスのDFに当たりコースが変わったシュートから、クルトワがまたも超絶セーブを披露。そこから速攻を発動させると、チュアメニの浮き球のパスからエンバペが前線へ走り込む。背番号9はペナルティーエリア内に入るや否やスリップしながらも右足でシュートを放ち、ボールは先のギュレル弾のように綺麗に伸びて、枠内左のサイドネットを揺らしている。
2点リードで試合を折り返したマドリーは、47分に3点目も獲得。ギュレルの優れたゲームビジョンが垣間見えるスルーパスからエンバペがDFラインを突破。ペナルティーエリア内左から左足のシュートでGKグアイタを破った。エンバペはこれが今季52試合36得点目で、マドリー加入シーズンの歴代得点ランク1位サモラーノ氏(45試合37得点)の記録まで、あと1点と迫った。
アンチェロッティ監督は66分に交代カードを切り、ラウール・アセンシオを下げてハコボ・ラモンを投入。センターバック不足の中、ハコボに慣れさせようとしたのかもしれないが、ここからセルタの反撃を受けることに……。マドリーはまず69分、CKの混戦からハビ・ロドリゲスに1点を返される。アンチェロッティ監督は74分にセバージョスをモドリッチを代えてポゼッションやゲームの支配力を上げようと試みるが、その2分後には途中出場イアゴ・アスパスのスルーパスから同じく途中出場のスウェドベリにクルトワを破られてしまい、1点差まで迫られた。
マドリーはその後もセルタのシュートチャンスを許す。79分にはイアゴ・アスパスのヒールパスからパブロ・ドゥランの決定機を許したが、ここではクルトワが横っ飛びを見せ、背中にこぼれたボールはゴールラインを割ることなく止まっている。
追いつかれればその時点でゲームオーバー……ベルナベウは自チーム、相手チーム、ヒル・マンサーノ主審に対して大量の指笛が吹くなど、極めてナーバスな雰囲気に陥る。終盤も速攻を決められず、セルタの攻撃も許し続けたマドリーだったが、それでも1点リードを維持したまま試合終了のホイッスルまでこぎ着けることに成功。首位バルセロナとの勝ち点4差を維持して、何とか生き延びて、クラシコに臨めることになった。




