Endrick ValverdeGetty Images

レアル・マドリー、セルタと延長戦までもつれ込む苦闘を強いられるも…エンドリッキ&バルベルデ砲炸裂で国王杯ベスト8へ

16日のスペイン国王杯(コパ・デル・レイ)ベスト16、レアル・マドリーは本拠地サンティアゴ・ベルナベウにセルタを迎え、延長戦の末5-2の勝利を収めた。

前試合、スペイン・スーパーカップ決勝バルセロナ戦で2-5の大敗を喫して、クライシスに突入したマドリー。前回のラ・リーガ前半戦のクラシコ(0-4)から手にしてきた自信と信頼の多くが失われてしまったが、ここから再び巻き返すことはできるのだろうか。

アンチェロッティ監督はDFラウール・アセンシオを先発させ、チュアメニをセンターバックではなく本職のアンカーとして起用。出ずっぱりだったベリンガムとバルベルデはベンチスタートとなった。全スタメンはGKルニン、DFルーカス・バスケス、R・アセンシオ、リュディガー、フラン・ガルシア、MFモドリッチ、チュアメニ、セバージョス、FWブラヒム、エンバペ、ヴィニシウスで、システムは4-3-3を使用している。

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前半、マドリーはボールを保持して主導権を握り、幾度もチャンスを迎える。優勢であることは間違いなかったが、やはクラシコ大敗の影響もあるのか、慎重過ぎる姿勢含めてプレーリズムはどこか緩慢だった(なお前日練習のロンドではいつもの笑顔や冗談がなかったことで話題となった)。

そうした中で37分、マドリーの先制点が物議を醸す形で生まれた。マドリーのボックス内、ボールを追いかけるスウェドベリがルニンに倒されたように見えたがプレーは続行。そのままマドリーが速攻を仕掛けると、エンバペがボックス内左に侵入して、縦への突破から左足のシュートをニアサイドに突き刺した。結局、セルタのPKは取られず、ベルナベウのアウェー席からは「アシ! アシ! アシ・ガナ・エル・マドリー(マドリーはこうやって勝つんだ)!」のチャントが叫ばれている。

1-0で迎えた後半、マドリーは速攻をベースに追加点を狙い、48分に実際にスコアを動かす。エンバペのロングパスを前線でブラヒムが受けると、勢いよく走り込むヴィニシウスにスルーパス。ボックス内左でボールを受けた背番号7は、左足インサイドのシュートを対角線上に決め切った。

アンチェロッティ監督は70分に交代カードを切り、セバージョス&ブラヒムをカマヴィンガ&ギュレルに代える。77分にはエンバペ、ヴィニシウスとボールをつなぎ、ギュレルがネットを揺らしたものの、これはヴィニシウスのオフサイドでゴールは取り消しに。イタリア人指揮官は79分、モドリッチとエンバペを下げてバルベルデとエンドリッキを入れた。

するとその直後、セルタが1点を返すことに成功。カマヴィンガの不用意なボールロストをきっかけにして、バンバがシュートを決め切った。1点差に詰め寄ったセルタは攻勢を強め、91分にはボックス内でバンバがR・アセンシオのアフタータックルを受けてPKを奪取。キッカーのマルコス・アロンソがこれをきっちり決め切り、スコアをタイに戻した。ベルナベウからすでに帰路についた観客も少なからずいる中で、ヒラルデス監督率いるチームが執念を見せている。

アンチェロッティ監督は後半アディショナルタイム5分、2失点目の直前に足首を痛めた様子のF・ガルシアを下げてベリンガムを投入(カマヴィンガが左サイドバックに)。しかし勝ち越し弾は奪えず、試合は延長戦に突入することになった。

延長戦、マドリーはボールを保持して攻め込むが、セルタの堅守を崩し切ることができない。105分にはギュレルの蹴ったCKがリュディガーの肩に当たりゴールへ向かうも、これはポストに当たるのみだった。アンチェロッティ監督は延長戦後半、ヴィニシウスをロドリゴに代えている。

そして108分、この試合の合計5ゴール目が生まれた。決めたのは……マドリー! ボックス手前のエンドリッキがギュレルの縦パスを受けると、すぐさま反転して左足を一閃。地を這う凄まじい勢いのボールが、GKイバン・ビジャールの横っ飛びから逃げるように枠内左に収まっている。

ついに勝ち越したマドリーは、112分にチーム4点目を記録。ボックス手前のバルベルデがその長い足を振り切ると、やや高度を取りながらも抑えもしっかり利いたボールが枠内左隅に突き刺さっている。マドリーはさらに119分、ギュレルのCKからエンドリッキがヒールシュートでネットで揺らしてダメ押し。後半終了間際、注意散漫な守備から同点に追いつかれてしまったものの、終わってみれば3点リードで試合終了のホイッスルを迎えている。ただ試合前に「全員で団結した守備が必要だ」と、集中した守りを求めていたアンチェロッティ監督は、延長戦後半にどれだけゴールが決まろうとも、険しい顔を崩さなかった。

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