3月1日のラ・リーガ第26節、レアル・マドリーは敵地ベニト・ビジャマリンでのベティス戦を1-2で落とした。
チャンピオンズリーグ・ベスト16のアトレティコ・マドリー戦直前とはいえ、ラ・リーガ優勝争いを制するために絶対に勝利がほしいマドリー。ただ、決して万全な状態とは言えない。
この一戦ではベリンガムが出場停止、セバージョスが負傷、バルベルデがコンディション不良と中盤3選手が不在。アンチェロッティ監督はGKクルトワ、DFルーカス・バスケス、リュディガー、アラバ、メンディ、MFモドリッチ、チュアメニ、ブラヒム、FWロドリゴ、エンバペ、ヴィニシウスを先発させている。
前半立ち上がりはマドリーが一方的にペースを握り、10分に熱狂のベニト・ビジャマリンを沈黙させた。ペナルティーエリア手前のエンバペがベティスの選手たちを引きつけながらペナルティーエリア内左にスルーパス。このボールを受けたメンディの折り返しから、ブラヒムがネットを揺らしている。
先制したマドリーだったが、それから徐々に勢いを落とし、まるでスイッチが切れてしまったかのようにベティスの攻勢を受けるように。ベティスはマドリー時代と変わらぬファンタジーに加え、献身的な守備も見せるイスコ、切れ味鋭いドリブルを仕掛ける現在19歳の新星ヘスス・ロドリゲスが凄まじかった。
そして34分、ベティスが同点ゴールを記録。イスコのCKから、ジョニー・カルドーソがヘディングシュートでネットを揺らした。1-1となった後には、まるで水道の蛇口をひねったように大量の雨が降り、その中でベティスが攻勢を継続。マドリーは苦戦しながら前半終了の笛を聞いている。
後半、マドリーは再度ボールを保持して攻撃を仕掛ける意思を見せるも、チャンスを生み出すまでには至らない。そして53分、ベティスの逆転ゴールを許した。イスコのスルーパスからペナルティーエリア内に侵入したヘスス・ロドリゲスが、後方からリュディガーに倒されてPKに。キッカーのイスコが古巣相手にシュートを決め切り、ベティスがスコアをひっくり返している。
アンチェロッティ監督は59分に交代カードを切り、アラバ、ブラヒムを下げてギュレル、カマヴィンガを投入(チュアメニをアラバの代わりにセンターバックに)。しかし、その後も攻撃は機能不全が続き、また中盤のフィルターが弱いために、イスコを中心としたベティスのカウンターにも苦慮し続ける(セバージョス、ベリンガム、バルベルデの穴はやはり大きい)。68分にはアントニーの折り返しからクチョのシュートを許したが、これはわずかに枠を外れ、難を逃れた。
アンチェロッティ監督は75分にエンバペを下げてエンドリッキもピッチに立たせる。だが、ヴィニシウスらが個の力を生かそうとしてもベティスの集中した守備を崩し切ることは最後までかなわず、1点ビハインドのまま試合終了のホイッスルを迎えることになった。
連勝を逃し、ここ5試合の成績を1勝2分け2敗とした2位マドリーは勝ち点を54から伸ばせず。同日にアトレティック・クラブ戦に臨む3位アトレティコ(勝ち点53)に順位を抜かれる恐れがあるほか、翌日にレアル・ソシエダ戦に臨む同勝ち点の首位バルセロナに勝ち点3差をつけられる可能性をつくってしまった。
