26日のコパ・デル・レイ準々決勝、サンティアゴ・ベルナベウを舞台としたレアル・マドリー対アトレティコ・マドリーは3-1でレアル・マドリーの勝利に終わった。
今季コパ・ベスト8で282回目のマドリーダービーが実現(通算成績はマドリーが144勝、アトレティコ69勝となっている)。レアル・マドリーにとってはスペイン・スーパーカップでのバルセロナ戦完敗から復調を期する一戦であり、アトレティコにとっては実質的に今季唯一残っているタイトルを獲得するために勝ちたい一戦だ。
前半立ち上がりはいつも通り、レアル・マドリーがボールを保持して攻め込み、アトレティコが堅守速攻からゴールを狙う展開。ここ数シーズンはレアル・マドリーが自分たちのペースで、自分たちの思い通りに試合を運ぶことを常としていたが、今回は逆となる。先制点を決めたのはアトレティコだった。シメオネ監督のチームは19分、コケの浮き球のパスからナウエル・モリーナが右サイドを突破。折り返されたボールをモラタが右足で押し込んだ。
リードを得たアトレティコはその後、“逆に”ボールを保持してレアル・マドリーの反撃を許さず。レアル・マドリーはハイプレスを仕掛けられず、全体が間延びしたことでクロース&モドリッチのゲームメイクが緩慢なものとなった。かてて加えて40分過ぎにはメンディが負傷して、アンチェロッティ監督は交代でセバジョスを投入。アンカーだったカマヴィンガをメンディの代わりの左サイドバックに据え、クロースをアンカー、インサイドハーフをセバジョス&モドリッチとしている。
迎えた後半、序盤はレアル・マドリーがアトレティコ陣地に乗り込み同点を目指す。58分にはベンゼマがペナルティーアークからゴールをうかがったが、このシュートはGKオブラクに止められ、こぼれ球に詰めたヴィニシウスはボールを押し込むのではなくコントロールを優先したことが裏目に出てしまった。
なかなかゴールを割れず焦りを募らせるレアル・マドリーだったが79分、バルベルデとの交代で出場していたロドリゴがチームの窮地を救うゴラッソを決めた。ブラジル人FWはピッチ中央、ゴールまで約35メートルの距離からドリブルを開始し、ヴィツェル、次にエルモーソを抜き去ってペナルティーエリア内に侵入。アトレティコのさらなるDF2枚を前に、シュートを打つとして利き足(右)的には不利なエリア内左に突破を仕掛けると、“父親”モドリッチよろしく意表を突く右足アウトサイドのシュートでオブラクを破っている。
後半の終盤にはグリーズマン、途中出場のメンフィスとアトレティコがチャンスを迎えたものの決め切れず、結局試合は延長戦に突入。延長戦前半はレアル・マドリーがボールを保持してアトレティコは自陣に追いやる。すると99分、カマヴィンガを倒したサビッチが2枚目のイエローカードで退場となり、マドリーが数的優位に立った。
10人のアトレティコ相手に攻勢を仕掛け続けるレアル・マドリーは、103分に逆転弾を記録。ナチョのスルーパスからアセンシオが右サイドを突破してグラウンダーのクロス。ヴィニシウスが蹴り損ねたボールがファーまで流れると、そこに位置していたベンゼマが枠内に押し込んだ。ベンゼマはカタール・ワールドカップ中断明けから7試合7得点の好調ぶりだ。
延長戦後半、レアル・マドリーはアトレティコにボールを譲って自陣に引く。必要以上に引いてしまい数的不利のアトレティコにヒヤリとする場面もつくられたが、121分に速攻からヴィニシウスがチーム3点目を決めてダメ押し。レアル・マドリーがダービー勝利でスペイン首都を白に染め、準決勝に駒を進めている。




