レアル・マドリーのカルロ・アンチェロッティ監督が6日、『YouTube』番組「PoretCast di Giacomo Poretti」のインタビューで、選手との関係における秘訣やセリエAで活躍するテュラム兄弟などに言及した。
これまでユヴェントスやミラン、チェルシー、パリ・サンジェルマン、バイエルン、レアル・マドリーなど欧州各国の強豪を率いて史上初の欧州5大リーグ制覇を達成、チャンピオンズリーグも史上最多5度の優勝を誇るアンチェロッティ監督。そんな名将は、イタリアの著名コメディアンであるジャコモ・ポレッティ氏の番組に出演。ロングインタビューの中で、選手との関係性における秘訣を明かした。過去に多くの選手と問題が生じたことを振り返りつつ、解決のために自身が取った方法を語っている。
「言い争いをした選手? 多くの選手と問題は起きたが、最終的にいつも解決できた。名前は出せないが、私がロッカールーム内で話をしている時に、タオルを顔の前に当てて話を聞かないようにしている選手がいたよ。まだキャリアをスタートしたばかりの選手だった。ある日、私は彼に言った。『このままではダメだ』ってね」
■“人”として向き合うこと
サッカーの試合で先発できるのは11人であり、ビッグクラブであればあるほど競争は激しくなる。それ故にベンチスタートを命じられたことで指揮官との確執が生まれるケースも多いが、アンチェロッティ監督はその背景に混同があると指摘。監督と選手の関係性を明らかにすることが、問題解決の秘訣となったことを明かした。
「ベンチスタートを指示されると、挨拶ができなくなる選手がいる。それは“人”と“選手”を混同しているからなんだ。そんな時、私はいつも選手に対し『君は誰なんだ?』と尋ねるようにしている。(君の答えは)『私はジャコモで、俳優の仕事をしている』であり、君は俳優ではなく、俳優の仕事をしているんだ。君は好きな仕事をしている“人”なんだってね」
「選手であれば『僕は選手だ』と返事するかもしれないが、『いや、君は選手じゃない。サッカーをプレーしている“人”だ』と私は答えるだろう。私も監督ではなく、監督の仕事をしている。そして“人”ではなく、“選手”がベンチに座るかどうか、プレーするかどうかの決断を下す責任を背負い、選択するために報酬をもらっている。選手は時々、この点を混同している」
「選手が朝やって来た時、『カルロは監督だ』と思うのかもしれないが、私は監督の仕事をしているんだ。選手は、私が監督だと思うと挨拶できない。だが、私のことを“監督をしている人”と考えれば、挨拶してくれる。何人かの選手にこうやって説明し、最終的に挨拶してくれるようになったよ」
またアンチェロッティ監督は、自身の故郷であるエミリア地方で生まれ、現在セリエAで活躍するテュラム兄弟に言及した。
「考えてみてくれ。マルクス・テュラムはパルマで生まれたんだよ。私がパルマでリリアンに指導をしていた時にね。当時のマルクスはこんなに小さかったのに、いまはタンスのように長身になったね。彼は優秀だし、弟のケフランも非常に優秀な選手だ。だが彼らのパパはさらに偉大だった」
