U-23日本代表は24日、パリ五輪グループD初戦でU-23パラグアイ代表と対戦する。ついに開幕する今大会の展望や初戦の予想フォーメーションは?【文=上村迪助(GOAL編集部)】
■グループ最大の脅威と初戦で激突
(C)Getty images大岩剛監督の下で活動を続けてきた若き代表チームは金メダルを目標としているが、大会の開幕にあたってまずはグループステージ2位以上での決勝トーナメント進出を果たさなければ始まらない。その命運を大きく左右する初戦では、いきなり南米王者のパラグアイと激突する。
とはいえ、今大会はグループステージから準決勝までが中2日で開催。パラグアイ以外にも27日にU-23マリ代表、30日にU-23イスラエル代表との対戦を予定している中、ターンオーバーは前提となる。
その中で、大会3連覇中だったブラジルを予選で破るなどの波乱を起こしたパラグアイは、紛れもなく優勝候補の一角。伝統的な守備での粘り強さはそのままに、長身FWケビン・パルザユクらを起点にした切れ味鋭いカウンターを武器としており、グループステージ最大の脅威でもある。
その他、日本は今年3月の親善試合でマリ、昨年5月のU-20ワールドカップでイスラエルと対戦し、いずれも敗戦を喫した。極めて厳しい組み合わせとなっているが、それでもメダルを現実のものとするためには、パラグアイにベストメンバーをぶつけて勝ち点3をもぎ取り、その後の戦略を優位に練ることができる状況を作っておくことが重要となる。
■先発はフランス戦がベースか
(C)GOAL五輪目前の17日、日本は開催国U-23フランス代表とのテストマッチを行い、1-1でドロー。オーバーエイジ不在など選手招集にも苦労してきた反面、これまで積み上げてきた攻守両面での連係の深まりが感じられた。攻撃では90分を通しての決定機の回数に課題もあるが、守備ではフィジカル面でもやり込められるシーンも少なかった。
パラグアイ戦はそのフランス戦のメンバーが中心になるとみられるが、FIFAの登録メンバーの記載ではコンディションが懸念されていた半田陸が離脱となり、鈴木海音がバックアップメンバーから昇格。初戦では大畑歩夢をチョイスすることが濃厚だ。中盤と前線に関しては、より創造性の高い山本理仁を試合展開に応じて投入する選択肢を残すため、スタートは運動量とクオリティを両立できる川﨑颯太を選ぶ可能性もある。
また、1トップはフランス戦で先発した藤尾翔太ではなく、大岩監督の大きな信頼と期待を受ける細谷真大と予想。細谷は今季、所属する柏レイソルでの明治安田J1リーグでここまで19試合2得点と満足のいく結果は残せていないが、メダルへ至るためにはいずれにせよエースの復活は必須だ。
その他、守護神・小久保玲央ブライアンやセンターバックの木村誠二、アンカーの藤田譲瑠チマ、右ウイングの平河悠らチームの軸を担う選手たちを揃え、ベストメンバーで初戦へ向かうことが見込まれる。
耐える時間が続くことも予想されるパラグアイ戦。緩急を使いこなす試合巧者でもある相手との一戦では、一瞬の隙も命取りとなる。スコアによる状況変化や、及第点とする現実的な勝ち点確保の判断など、試合展開に応じた大岩監督の采配も大きな要素の一つだ。
今後の戦い方も大きく左右することになるパラグアイとの初戦は、日本時間24日26:00にキックオフを予定している。
