レッドブル・ゲーエムベーハー(以下「レッドブル」)と東日本電信電話株式会社(以下「NTT東日本」)が6日、NTT東日本が保有する大宮アルディージャおよび大宮アルディージャVENTUSを運営するエヌ・ティ・ティ・スポーツコミュニティ株式会社が発行する株式100%をレッドブルに譲渡する株式譲渡契約を締結したことを発表した。株式譲渡は2024年9月を予定している。
オーストリア・ザルツブルグに本社を置き、主にエナジードリンク事業で知られているレッドブル。現在は飲料製品の製造・販売にとどまらず、複数のF1レーシングチームやアイスホッケー、サッカークラブなどのスポーツマネジメントの運営も行なっている。サッカー界ではかつて日本代表MF南野拓実が所属していたオーストリア1部のレッドブル・ザルツブルクやブンデスリーガのRBライプツィヒなどの経営に携わっている。
レッドブルとしては「Jリーグは非常に競争力のあるサッカーリーグであり、年々国際的な認知度を高めている中で、26年の歴史を積み重ねてきた大宮アルディージャの存在感は特別なものであり、また多くの育成出身選手をトップリーグに輩出してきた実績は、レッドブルサッカーネットワークの一員となるのにふさわしいクラブである」と判断したとのこと。
株式会社譲渡される9月以降については「レッドブルのコミットメントは、ホームタウン・さいたま市で引き続き活動を継続することであり、これまでクラブがステークホルダーと育んできたチーム名やクラブカラーなどをリスペクトし、クラブが積み重ねてきた26年の歴史をベースに積極的に新たな挑戦を行っていくことで「継続と発展」を示し、クラブ理念の実現と成長循環型クラブとしての取り組みをより加速させて行きます」としている。
各代表のコメントは以下の通り。
■ レッドブル・ゲーエムベーハー
代表者 オリバー・ミンツラフ
「まずは、NTT東日本、Jリーグ、およびWEリーグの関係者の方々に対し、常に信頼に満ちた対話をしていただいたことに感謝申し上げます。アジアにもクラブを持つことができ、戦略的に重要な地域で私たちのサッカーポートフォリオを拡大できることを大変嬉しく思っています。日本サッカー界は近年、非常に順調に発展しており、数多くのトップタレントを輩出しています。私たちはクラブと共にこの成功の道の一部となり、経験と専門知識を提供して、将来的には、大宮を日本サッカー界において名門クラブの一つにするために貢献したいと考えています」
■ NTT東日本
代表取締役社長 澁谷 直樹
「日頃より大宮アルディージャを支えてくださっているサポーター、パートナー、関係者の皆さまに対し、厚く御礼申し上げます。また、話し合いを進めていく中で変わることなく誠意ある対応をしてくださったレッドブルの皆さまに心より感謝いたします。レッドブルの皆さまからは日本のサッカーにかける熱い情熱を感じました。我々よりもスポーツチームの運営経験が豊富であり、大宮アルディージャのファンや伝統を大切にしながら素晴らしい歴史をつくっていってくれることを確信しました。当社はパートナーとして引き続きクラブを応援するとともに、NTTグループのアセットを活用して地域におけるクラブの発展を支えることで、より良い地域社会の実現に貢献していく所存です。今後とも大宮アルディージャへの応援をよろしくお願いいたします」
■ 大宮アルディージャ
代表取締役社長 佐野 秀彦
「日頃より大宮アルディージャへの多くのご支援と温かいご声援をいただき、誠にありがとうございます」
「この度、大宮アルディージャはレッドブルをオーナーに迎え、新しい一歩を踏み出すこととなります。レッドブルサッカーネットワークの強みを活かして、さまざまなプロジェクトに参画し地域の皆さまとともに強く魅力あるクラブへの成長・発展に必ずつなげてまいります。そして今回の大きな変革がJリーグ、WEリーグ、そして日本サッカー界の発展にもつながるよう取り組んでいきます」
「大切にしていくこと」
「それは、これまで地域とともに築きあげてきたクラブのアイデンティティや歴史、そして全てのアルディージャファミリーへのリスペクト。それらを礎に新たな力を取り入れ、果敢にチャレンジしていき、クラブ理念の実現に向け「成長循環型クラブ」を目指していきます」
「シーズン途中でのご報告となりますが、男子トップチームは今シーズン必ずJ2に復帰するという目標に向けてブレずに戦い続けます。VENTUSトップチームは9月から始まる4シーズン目においてタイトル争いに絡めるよう良い準備をしていきます」
「最後になりますが、1969年の電電埼玉サッカー部の誕生以来、電電関東サッカー部、NTT関東サッカー部、大宮アルディージャと56年にわたりクラブの成長と発展を支えてきていただいた全ての皆さまに深く御礼を申し上げます」
「これからも変わらぬご支援、ご声援をよろしくお願いいたします」
