0326_Japan_Argentina_end_2©Atsushi Tokumaru

U-24日本代表、アルゼンチンとの初戦は「惜敗」だったのか? 久々の国際試合で見えた強豪との差

0-1というスコアの観点では、惜敗とするのが正解なのかもしれない。ただ、試合内容に関しては「まだまだ大きな差があった」と述べざるを得ない。

U-24日本代表は26日、東京スタジアムで1年2カ月ぶりに海外のチームと相対した。対戦相手は強豪U-24アルゼンチン代表。フルメンバーではないとはいえ、欧州や自国リーグで活躍する選手たちが軒並み顔を揃え、7月に開催される東京五輪のシミュレーションとして日本撃破を目指してきた。

■見せつけられた球際での差

0326_Japan_Argentina_Watanabe_1@Getty Images
▲背番号10のバルガスがアシストした。

そんな相手に対し、日本は序盤から苦しい展開を強いられる。相手の素早い寄せと球際の強さに圧倒され、ミスが増えては相手のカウンター攻撃を浴びる。17分にはマティアス・バルガスの巧みな動きに板倉滉が翻弄されると、深い位置まで進入されたところからのクロスをアドルフォ・ガイチに沈められてしまった。

試合を通して、球際の戦いやセカンドボールの予測において日本とアルゼンチンには大きな差があった。特に国内組の選手は、この1年間国際試合がほとんどなかった中で、世界レベルのアルゼンチンと対峙し、普段とは違う感覚に戸惑ったことだろう。なかなかボールを保持することができず、クリーンに奪われてしまうことが多かった。

一方で、海外組は当たり負けせず、狡猾にファウルをもらうなど、経験値の高さを感じさせていた。「Jリーグにも南米の選手はいるけど、全員がアルゼンチンの選手だと、そこでコンビネーションが生まれてくる。(それを感じたという意味でも)今日の試合は自分たちにとって大きいものになると思います」と三好康児が言うように、現在地を計る上でアルゼンチンと対戦できたことは大きな意義があった」

■日本は修正力を発揮したが…

0326_Japan_Argentina_Soma_1@Getty Images
▲途中出場の相馬勇紀が攻撃を活性化させた。

内容のところでポジティブな面を挙げるとすれば、後半に入ってボールを持つ時間が増え、自分たちの時間を作り出したことだ。

確かにアルゼンチンは組織的な守備で対抗していた。相手にボールを持たせつつ、コントロールしながらゲームを進めていたので、そこまで負荷がかかっていたようには思えない。もし追いつかれる状況になれば前に出てきたはずだ。

それでも「失点してからの方がうまくいった感覚はある」と中山雄太が振り返ったように、日本の修正力がピッチ上に現れていたのも事実だ。サイドが幅を取り、CBやボランチからサイドチェンジを入れて攻撃を組み立てる形は、相手のスライドをずらすことにつながっていた。前半よりも一個前のところでボールを動かせたことは、試合中に修正できた点だ。

しかし、アルゼンチン側としてもそこからは先に進入させるつもりはない。ラインが下がったとしても、ゴール前に堅固なブロックを作って対応。その相手を崩すだけの力がなかったというのが、試合の総括だ。

これまで相対した五輪世代のブラジル代表との試合のように、ほとんど相手に押し込まれた中でカウンターを狙うというような展開ではなかった。むしろ日本がボールを保持して攻撃をうかがう時間が多かった中で、どうやって相手を崩すのか。そこが29日に行われる2試合目に向けた課題となる。

これほどの相手と対戦できることをプラスに捉え、次戦はさらにチャレンジしていく姿を期待したいところだ。

取材・文=林遼平

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