ボルシア・ドルトムントは29日、来年1月1日にヌリ・シャヒン氏とスヴェン・ベンダー氏の2人をトップチームのコーチ陣に迎えることを発表した。
28日にトルコで同国1部のアンタルヤスポルを率いる35歳シャヒン監督が退団し、ドルトムントに帰還するとの報道が浮上。その後、同クラブのアルカン・エヴレン副会長が『AA Spor』通信に対し、「我々アンタルヤスポルにとって、ヌリ・シャヒンのような貴重な監督を送り出さなければならないことは残念だ。しかし、彼がボルシア・ドルトムントのようなクラブからオファーを受けたことを我々は誇りに思う。ヌリ・シャヒンには新しいタスクでの成功を祈りたい」と認めていた。
また、29日にはドイツ誌『キッカー』が、ドルトムントはシャヒンに加えU-17ドイツ代表のアシスタントを務める34歳ベンダー氏のスタッフ入りを目指しドイツサッカー連盟(DFB)と接触していることを報道。そして、その数時間後にドルトムントは現役時代長年同クラブでプレーした2人が42歳のエディン・テルジッチ監督のアシスタントに就任すること、それぞれ2025年までの契約を締結することを発表した。
アシスタントの1人である63歳のアルミン・ロイターズハーン氏が自らの希望で今年限りで退団することも発表したドルトムントだが、公式ウェブサイトでテルジッチ監督のコメントを紹介。「ヌリとスヴェンをアシスタントコーチに迎える明確な願いがあり、我々は過去にも何度かこの願いを実現させることを試みた。そして今、そのチャンスが訪れ、我々はそれを掴んだんだ。ヌリとスヴェンは豊富な経験と知識をもって我々の助けとなると同時に、まだとても若い指導者として我々の下で成長することもできるはずだ。2人が私の側にいてくれることを非常に嬉しく思う」と語った。
2005年にドルトムントでプロデビュー果たし、公式戦274試合に出場したシャヒン氏は「我々はアンタルヤスポルでは特別なものを作り上げていただけに、2年以上にわたるヘッド・オブ・フットボールの役割を退くことは簡単な決断ではなかった。関係者、特に選手たちに心から感謝したい」などアンタルヤスポルへの感謝の言葉を口に。続けて「BVBから要請があれば、ノーとは言えない。コーチ陣として、チームを成功の道に戻すために力を合わせて頑張りたい。家に帰って来るのはとても美しい気分だ!」と喜んだ。
また、ドルトムントでは公式戦224試合の出場歴を持つベンダー氏は「以前からエディン・テルジッチと交流があり、彼がどのような監督なのかも知っている。BVBでアシスタントになることを想像できるかと聞かれ、それについて考えた結果、必ずもう一度ブラックとイエローの人にならなければと決心した。ドイツサッカー連盟に感謝を告げたい。DFBは2年前にサッカー界に呼び戻し、コーチとしての仕事を学ぶ機会、一流の教育のチャンスを与えてくれた上、U-17 EUROを控えているにもかかわらず、ドルトムントに向かうことを許してくれた」と話している。
なおドルトムントは今季チャンピオンズリーグでは“死の組”と言われたグループを首位で突破もブンデスリーガでは5位、DFBポカールもラスト16ラウンドで敗退と不安定なパフォーマンスが続いている。先日首脳陣の緊急ミーティングの結果、続投が決定したテルジッチ監督だが、今後は香川真司らとともに2011年のブンデスリーガ優勝や2017年のDFBポカール制覇にも貢献した2人からのサポートを受けることが決まった。


