nagatomo japan(C)Kenichi Arai

「日本にボールを握って圧倒的に勝つ力はまだない」長友佑都が感じた世界トップレベルとの差

日本代表DF長友佑都が、カタール・ワールドカップを振り返るとともに自身の今後について言及した。

カタール・ワールドカップのグループステージでは、ドイツ、スペインと優勝経験国相手に逆転勝利を収め、世界中を驚かせた日本代表。史上初のベスト8を目指し、決勝トーナメント1回戦ではクロアチアと激突した。白熱の一戦は120分で決着がつかず、試合の行方はPK戦へ。しかしキッカー3人がGKにストップされ、1-3で大会から姿を消した。

クロアチア戦から一夜明け、メディア取材に応じた長友は「本当に素晴らしいチームで、ここで終わるのは寂しいですね」と現在の心境を吐露。その上で今大会を振り返り、日本代表の成長を実感した一方で、世界トップレベルとの差を改めて感じたことを明かしている。

「負けは受け入れないといけませんが、PKなんで。PKは別競技だと思っています。それまでドイツやスペインという優勝候補を破って、クロアチアに対しても互角に戦えた。僕は2大会連続でラウンド16で敗れていますが、日本サッカーが成長していると感じました。これまでW杯で優勝候補を破ったことはなかったし、それが1回でなく2回です。しっかり勝って結果を残したと思っています」

「(コスタリカやクロアチアに勝てなかったこと)そこが日本サッカーのこれからの大きな課題です。カウンターからの攻撃のベースはできてきたと思う。今後はトップを目指す上でどう構築していくか。アタッキングサードを相手が引くとなかなか崩せないのは課題にはありますが、そこに関してはなかなか答えが見いだせないというか、難しさを感じています」

「冷静に考えてドイツ、スペインに勝っても、ボールを握って圧倒的に勝つ力は、まだ日本にはありません。そこは認めないといけない。みなさんもわかるように、日本はまだ世界のトップレベルではないです。だからこそ、サッカーでは少ないチャンスの中で結果を残していかないといけない。今の日本サッカーの限界かな。やるべきこと、とくに攻撃面では多いかな」

大会を通じてJFA公式メディアなど、様々な媒体でメッセージを発信してきた長友。その中でチームの雰囲気について度々言及し、以前には「見てきた中で最強の日本代表チーム」とも語っていた。そしてそれには、チーム内で何度もディスカッションを行ってきたことが影響していると考えている。

「(ディスカッションは)めちゃくちゃ大事。選手一人ひとりも言いたいことが言えないと、やはりプレーに出てきてしまう。精神的な部分でも、サッカーのところでもそう。不満は吐き出さないといけないと思います。やはり人間なんで、若い選手からそういう声を出させるという空間をつくるのは、我々ベテランの仕事かな。若い選手がどんどん発信するようになって、試合になったら何のもやもや感もなく、みんなが一つの方向にいけました。本当に小さいことですが、ミーティングを重ねてきてよかったですね」

9月には36歳となった長友。今後の決断には大きな注目が集まっているが、本人は「この4年間はW杯のことを考えてきたんで、少し休みたい。ちょっと1回休んでね。興奮している状態で決断するのはよくない。冷静になったときに今後、どうするかを考えていきたいです」と明かしている。

チーム屈指のベテランながら様々な発言と姿勢で雰囲気を盛り上げてきた長友。長い間日本の成長に貢献してきたサイドバックは、一休みした後、どのような決断を下すのだろうか。

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