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強度を高めるなでしこジャパン。女子W杯前最後の欧州遠征で「仕掛けていくアグレッシブさ」を見せる

■アメリカ遠征での成果と課題

なでしこジャパンは、今年7月のFIFA女子ワールドカップオーストラリア・ニュージーランド大会に向けて最後の海外遠征を4月に実施する。この遠征に参加する日本女子代表メンバー発表会見が29日、都内で行われ、佐々木則夫JFA女子委員長、池田太監督が登壇した。

去る2月にはアメリカに遠征しSheBelieves Cupに参加。ブラジル、アメリカ、カナダと対戦した。ブラジルとアメリカには0-1で敗れたものの、カナダには3-0で勝利。3試合を戦い1勝2敗という結果に終わっているが、池田監督は「強度の部分、アグレッシブさを見せられた」と語る。南米王者のブラジル(FIFA女子ランク9位)、女子W杯2大会連続覇者であるアメリカ(同1位)に接戦を演じ、2021年の東京五輪で優勝したカナダ(同6位)を下すことができた。

ブラジル、アメリカ戦では「チャンスの回数は作れたが点に繋げられなかった」と振り返る池田監督は、この課題を解決するため4月の遠征で「アタッキングサード、ラストパス、フィニッシュの精度を上げていきたい」とする。

欧州遠征では4月7日にポルトガル女子代表(FIFAランク21位)とブラガで、11日にデンマーク女子代表(同15位)とオーデンセで対戦する。FIFAランク11位の日本より順位は下になるが、アウェイでの戦いであり、欧州内で移動しての連戦でもある。W杯本戦を見据えつつ、「サイクルは1、2日違うが(対戦相手の試合を)分析して選手に伝えて行く流れを作っていきたい」(池田監督)と貴重な機会を最大限に生かすことになる。

■W杯本戦までのチームづくり

今回の遠征に選出されたメンバーは25名。DF熊谷紗希(バイエルン・ミュンヘン)、DF清水梨紗(ウェストハム)、FW岩渕真奈(トッテナム)を始め、カナダ戦で得点を決めているDF清家貴子(三菱重工浦和レッズレディース)、MF長谷川唯(マンチェスター・シティ)、MF遠藤純(エンジェルシティ)らが選出。

そしてアメリカ遠征で招集されなかったMF猶本光(浦和)、FW田中美南(I神戸)が復帰。前回代表初招集となるも、負傷離脱したDF守屋都弥(INAC神戸レオネッサ)も改めて選ばれている。

「(猶本、田中の)2選手はWEリーグでもしっかりプレーしています。アメリカ遠征はいろんな事情があって招集しませんでした。でも、我々のチームに力を加えてくれると思い招集しました。今回の遠征は25人で行きますが、前回離脱の守屋選手、今の二人、今まで積み上げて来たメンバーにプラス、そういった選手たちを含めて戦う準備をしていきたい」(池田監督)。

そして、「5月にはWEリーグもあります。(W杯の)メンバーを決めるまでにはまだまだ見ていきたい選手もいます。いろんな可能性も含めて今回のメンバーにこだわっているわけではありません。いろんなトライをしていきたい」と結んだ。

なでしこジャパンは2011年のドイツ大会で女子W杯を制した。15年のカナダ大会ではアメリカに敗れて準優勝。19年のフランス大会ではラウンド16で敗退した。W杯を獲得したドイツ大会から11年以上が経ち、この間世界の女子サッカーはフィジカル、戦術、そして各国の選手たちが置かれている環境の面でも大きく変化している。

男子日本代表と同じく、現在の女子代表も海外組が増えた。前回大会での海外組は2選手。今回のアメリカ遠征メンバーを見ると、25選手のうち11選手が欧米でプレーする。21年9月にはプロリーグであるWEリーグがスタートし、国内でも女子選手が戦う環境が整えられた。WEリーグ発足後、初となるW杯に向けチームは強化を進めていく。

▶なでしこジャパン欧州遠征メンバーリスト

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