■戦術分析記者が大絶賛
女子ワールドカップで準々決勝に進んだなでしこジャパン(女子日本代表)について、有力メディア『The Athletic』が絶賛している。
グループリーグを3連勝で首位通過を果たしたなでしこジャパン。決勝トーナメント1回戦では、強豪ノルウェーと対戦した。15分に宮澤ひなたのクロスからオウンゴールでリードしたが、5分後に同点に追いつかれる展開に。それでも50分、清水梨紗が勝ち越し弾を奪うと、81分には完璧なカウンターから宮澤ひなたが3点目。終盤にはGK山下杏也加のファインセーブもあり、3-1で勝利を収めた。
2大会ぶりにベスト8に名を連ねたなでしこジャパンだが、海外メディアや識者から絶賛され続けている。そして『The Athletic』で戦術分析に特化した著名記者マイケル・コックス氏も、「この女子W杯で最大の問題は、『どうやって日本を止めるのか?』である」とし、その戦いを分析している。
「ザンビアはそれができずに0-5と敗れ、コスタリカは惜しくも0-2で負けた。さらに驚いたのは、スペインは0-4で完敗したこと。そして日本の巧妙で連携の取れたパス&ムーブの新たな犠牲者は、ラウンド16で1-3と敗れたノルウェーだ」
「日本と対戦する際に最大の問題となるのは、3人のFWと2人ウイングバックという実質5人のアタッカーにどう対処するか。今大会で3バックを採用するチームは多くないが、日本、オランダ、イングランドはいずれも調子が良いようだ」
「しかし日本に関しては、どのチームよりもシステムをうまく利用している。センターFWの田中美南が深く下がって足元にパスを受け、残り2人のFWである藤野あおばと宮澤ひなたはライン間を漂う他、DFラインの背後にも走り込む。ウイングバックの遠藤純と清水梨紗も相手を広げ、最後にはゴールを狙えるポジションまで入ってくる」
また、ノルウェーが日本対策として守備時に中盤の選手を1人下げて5バックへ移行したことは「紙の上では理にかなっている」としつつも、「ピッチ上ではそれは難しいと判明した」と指摘。中盤が動くことで空いたスペースを効果的に利用する田中美南が「試合を通じて問題を引き起こし続けた」とし、彼女の動きが2点目と3点目に繋がったと分析している。
■今大会最高のチーム?
さらに「ノルウェーは明確な狙いがあったが、日本はそれに完璧に対応している」となでしこジャパンの適応力を絶賛。そして、以下のように締めくくっている。
「日本は、今大会で最も団結しているチームだ。彼女たちはクラブチーム並みの流動性を持っており、おそらくどんな相手にも勝てる力を持っている。ノルウェーのヘーゲ・リーサ監督は『彼女たちは才能溢れる選手と戦術を備えた素晴らしいチーム。ティキタカとダイレクトプレーの組み合わせを守るのは非常に難しい』と話した。それはこの戦いで証明された。日本を止めるのは、至難の業だ」
