リーグ戦で9位に低迷するミランについて、イタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』が28日、特集記事を組み、今シーズンの補強に皮肉を述べた。
昨シーズン限りで5シーズンにわたってチームを率いたステファノ・ピオリが退任し、パウロ・フォンセカの下で新たなスタートを切ったミラン。だが夏の大型補強の成果は実らずに成績が伸び悩み、セルジオ・コンセイソンが新指揮官となった現在も、9位と低迷が続いている。
そんな中、イタリア紙は「ミラン、エメルソン(ロイヤル)と他の選手たち…出費は勝つことと韻を踏まない」との見出しで注目。「補強はしたが、結果が出ない…ミランは順位表で(昨シーズンの)2位から9位になるために、1億1000万ユーロ(約179億円)の移籍金を支払った」と苦言を呈している。
「ミランは直近の2回の移籍期間においてお金に糸目を付けなかったが、大盤振る舞いは報われなかった」と強調。「いくつかの選択が間違っていたことは、ピッチが物語った」などと指摘した。その一例として、エメルソン・ロイヤルを挙げている。エメルソンは、昨夏に1350万ユーロ(約22億円)でトッテナムから加入し、「彼が右サイドの新たな主になるはずだった」が、1月に負傷する以前から「退団の雰囲気が漂っていた」との見解を示した。「ブラジル人選手のパフォーマンスは、完全に納得できるものでなかったこともあり、ミランは冬に(カイル)ウォーカー獲得のチャンスを利用した」と再び右SBを補強したことを振り返った。
さらにセンターフォワードについても、昨夏に獲得したばかりのアルバロ・モラタを放出し、「ばく大な資金をサンティアゴ・ヒメネスに投じ、レッドバード時代で最も高額な補強になった」ことに皮肉を続けた。チャンピオンズリーグでミランを敗退に追い込むことになる「フェイエノールトの金庫に収まった金額は2850万ユーロ(約46億円)だ」と主張した。
■報われなかった金銭面での努力…
「(幹部の)ズラタン・イブラヒモヴィッチは、夏に『トップチームを完成させるための仕上げのみの補強』と話していたが、(ストラヒニャ)パヴロヴィッチや(ユスフ)フォファナ、(タミー)エイブラハムもミラノに上陸した」と大幅な選手の入れ替えがあったことに言及。中でもエイブラハムは、「アレクシス・サレマーカーズを犠牲にしてローマからローン加入したが、サレマーカーズの方が(イタリアの)首都で、ドゥオーモの下のイギリス人よりも活躍している」と補強効果に疑問を呈した。
最後に同紙は「努力は結果で報われず、ミランは順位表において、極めて複雑な巻き返しを求められている」と指摘。「苦戦して不発のヒメネスから陸の上の魚のジョアン・フェリックス、疲労したフォファナや、またベンチのパヴロヴィッチに至るまで、より力のある者はそれを示すべきだ」と主張した。「根本的な疑問は1つだ。補強が失敗だったのか、それとも他にうまく行かない何かがあるのだろうか」と疑問を提起して締めくくっている。
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