20220326_Yoshida_Kawashima(C)Getty images

主将・吉田麻也、コロナ禍の閉塞感へ思い「誰かが突破口を開かないと。それがサッカー日本代表」

日本代表DF吉田麻也が、リモートでのメディア取材に応じている。

先日のワールドカップ(W杯)アジア最終予選のオーストラリア代表戦を2-0で制し、7大会連続7度目のワールドカップ出場を決めた日本代表。29日には埼玉スタジアム2002で、ベトナムとの最終節を戦うことになる。

W杯を決めた日本代表だが、本大会は11月に開幕予定。準備期間はそれほど残されていない中、前回大会を経験している主将は「現チームで(前回大会敗れた)ベルギー戦を想定したらどこまで戦える?」との質問に「めちゃくちゃ難しい質問がしょっぱなから来るじゃないですか(笑)」としつつ、以下のように続けた。

「一概に比べるのは難しいですが、確実に言えるのはもっとチームとして構築しないといけないし、各々もレベルアップしないといけません。アジアと世界では、戦い方も多少変わってくると思います。限られた中で良いマッチメイクをして、強い相手と戦って、良いところを伸ばして課題を浮き彫りにするのが大事です。コロナ禍で制限があって、どこまでできるかは分からないですが、良いマッチメイキングで良い準備をすることが大切だと思います」

「(今のチームは)よりテクニカルだと思いますし、特に後ろ(の選手)の経験値は上がっていると思います。そして、前はテクニカルな選手が多い。サブの選手が入ってもレベルがガクッと落ちないことも大きいと思います」

また、「確実にもっと固いサッカーをして、ペース配分も考えないといけません。緊張やプレッシャーから来る疲労の蓄積は必ずあります。一試合の疲労感はいつもと違うものになるので、そこの戦い方ですね。プレスに行くことも毎試合はできないし、ベタ引きもできない。どこに重心を置くかかなと」と本大会を通じての戦い方に言及。「今が良くても正直大会でどうなるかは分からない。良い状態で大会に入ることが一番大事ですね。大会前に失速する選手もいれば、大会前にぐっと伸びる選手もいる。チームは生き物というのはその通りで、ただベスト8を考えると、分析や選手層は必ず大事になります。監督もそれは頭に入っていると思います」と続けた。

「立ち上げから、監督はピッチ内で自分たちで考えることをずっと言ってきた。ベルギー戦で変化に対応できなかった経験があって、整理というより成長しました。予選を通して考えて行動することを推し進めてきたことが力になっていると思います」

今回のベトナム戦は、「まん延防止等重点措置」が解除されたことで観客の人数制限が撤廃されている。先日の会見でも「もう一回W杯への出場をみんなでお祝いして喜び合いたいなと思っています」と呼びかけた吉田は、改めて思いを吐露した。

「本当に、選手たちみんなが満員で代表戦をやることに飢えていると思います。欧州もそうですが、明らかに日本とは違うので、なんとか少しでも良い方向に持っていかないといけません。そのためには、誰かが突破口を開かないといけないと思うし、それがサッカー日本代表だと思います」

「スポーツだけでなくエンタメ、飲食だったり、みんな我慢している状況で、誰かが扉を開けないといけないと感じていて。それがサッカー日本代表だと思っています。このままだと、みんな本当に苦しいだけ、我慢してとなる。アメリカのハーフタイムショーなんかも全然違います。この間の入国も、欧州やオーストラリアと比べてまったく違います。『本当に先進国なのか』という感じもあります。僕だけでなくみんなが思っていることですが、まずはサッカーファミリーで、みんなでファンも含めて変えていけたらと思っています」

「スポーツ界、エンタメ会、飲食業界、みんなが我慢していることの突破口を開くのは、サッカーファミリーだと思っています。一丸となってみんなで扉を開けられたらと思うし、6万人入ればいい。それをパフォーマンスで返したい。是非皆さんに来ていただきたいです」

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