Glazers Manchester United 2016Getty Images

カタールからの9070億円買収オファー拒否…マン・Uのオーナーへ関係者「まったく非現実的。冗談みたいだ」

マンチェスター・ユナイテッドの買収問題に、大きな動きがあったようだ。

昨年11月にオーナーであるグレイザー家が売却する意思を発表していたマンチェスター・U。これまでカタール最大の銀行『QIB』の会長であるシェイク・ジャシム・ビン・ハマド・アル・タニ氏と、イギリス人実業家のジム・ラトクリフ氏による入札が伝えられていたが、なかなか進展がなく、サポーターの一部は試合ごとにグレイザー一家への不満を表明していた。

そんな中で『スカイスポーツ』は、シェイク・ジャシム氏はクラブの株式100%獲得へ50億ポンド(約9070億円)以上のオファーを提示していたと報道。これはニューヨーク証券取引所におけるクラブ評価額33億ドル(約4932億円)を大きく上回る提案だったが、グレイザー一家は納得しなかったようだ。その結果、シェイク・ジャシム氏は入札から撤退したと伝えられている。

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そして同メディアによると、ラトクリフ氏と同氏が保有する化学企業『INEOS』がマンチェスター・Uの株式25%獲得へ向けて13億ポンド(約2360億円)を支払うという。同氏はフットボール部門の運営権を握ることになり、また今回の動きは段階的な買収の第一歩になる可能性もあるようだ。

■関係者はグレイザー一家を批判

一方で『スカイスポーツ』は関係者の話として、以下のように伝えた。

「まったく非現実的だ。グレイザー一家の評価はあまりにも非現実的である。シェイク・ジャシム氏はクラブの評価額の約2倍の金額を提示していた。さらにすべての借金を精算し、スタジアムとチーム強化へさらに14億ポンド(約2541億円)を費やすつもりだったんだ」

「だが、グレイザーにとってそれだけでは十分ではなかったようだ。約1年が経過した今、残っているのは株式25%獲得へ過剰な金額を支払う人物が1人だけ。間違いなく最も偉大な歴史を持つサッカークラブの1つだが、今この地球上には入札者がたった1人であり、それもたった25%しか落札できない」

「冗談みたいだよ。少数株を売却するだけなら、昨年11月に非公開でできたはずだ。ユナイテッドの価値を決めるのは市場であり、グレイザーではない」

さらに「ラトクリフは明らかに払いすぎであり、シェイク・ジャシムの評価を超えるのは狂気の沙汰」とし、「仮に彼が25%を買収するしか余裕がなかった場合、誰が新スタジアムの費用を払うんだ? 誰が雨漏りする屋根を直し、新しいトレーニングセンターや選手獲得の資金を払うんだ?」とし、批判を続けた。

「ユナイテッドは最近、ブライトンにも追いつけない。マンチェスター・シティやリヴァプール、アーセナルなんか気にもしていないだろう。レアル・マドリーやバイエルン・ミュンヘンもそうだ」

「もしラトクリフに従うことになれば、別の株主を探すことになる。それが意思決定にどう役立つんだ? 新たなビジョンと野心はどこにあるんだ? ファンとの関係は? グレイザー一家がさらに株式を売却することはあるのか? 必要な資金はどこからくる?」

「シェイク・ジャシムは、グレイザー一家の評価額に対する狂気と現実のギャップを埋めようとしたんだ。彼は最善を尽くしたと言えるだろう」

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