リヴァプールのユルゲン・クロップ監督が、フットボールクラブとオーナーの関係性について語っている。
ロシアのウクライナ侵攻はサッカー界にも深刻な影響を及ぼしている。中でも、ウラジーミル・プーチン大統領と近いロマン・アブラモヴィッチ氏がオーナーを務めていたチェルシーは、大きく揺れている。
先日、イギリス政府がアブラモヴィッチ氏の資産を凍結したことにより、チェルシーは試合の一般チケットやグッズの販売、選手の獲得などが不可能に。クラブショップなども閉鎖されることになり、また、選手の獲得や現在チームに所属している選手との新契約締結もできない状況に追い込まれた。さらにユニフォームのメインスポンサーである『スリー』が契約停止を発表するなど、将来が不透明な状況となっている。
プレミアリーグにも衝撃が走ったこの問題。クロップ監督は記者会見で問われると、チェルシーの選手やスタッフへの同情を示しつつ、オーナーの資金の出どころをより見極める必要があると語っている。
「私に聞くのはフェアではない。あなたはもっと長い間イギリスにいるが、アブラモヴィッチがチェルシーに来た時、本当に気にした人はいたか? ニューカッスルが(サウジアラビア政府系ファンドに)買収された時、本当に気にした人はいたのだろうか? 気にかけたサポーターはいたのか? 疑問だね」
「資金がどこから来ているかは明らか。誰もがそれを知っていたが、我々は受け入れていた。我々のせいであり、社会全体のせい。だから受け入れた。だが今、我々はそれを受け入れることができなくなったので、彼らを罰することになる。チェルシーのせいではない」
「(オーナーの)バックグラウンドをどうチェックするかはわからない。リヴァプールでの6年半で言えることは、オーナーには心から満足しているということ。結局オーナーはクラブを率いるために存在し、利益を出したいときには資金を提供する」
「(これまで)我々は資金がどこから来ているのか考えることさえしなかったが、今はそれについて考え始めている。それはいい考えだと思う。もっともっとそれについて考えるべきなんだ」
