元イタリア代表指揮官のマルチェロ・リッピ氏がローマの大学で講演を行い、ワールドカップ(W杯)でのエピソードを語った。イタリア紙『トゥット・スポルト』が9日に伝えている。
2006年ドイツW杯でイタリア代表の指揮を執り、世界の頂点に輝いたリッピ氏。イタリア人指揮官は当時の感動を振り返った。
「私はキャリアにおいて数々の優勝を収めることができてものすごく幸運だった。それに信じて欲しい。母国の代表指揮官としてW杯で優勝した時の満足感は、何ものにも代えがたい。チャンピオンズリーグやリーグ優勝にも代えられない。同胞にW杯優勝をプレゼントする感動は唯一無二であり、最高だった。あの時に準決勝まで強豪チームを避けることができたように、運の要素も必要になることは言っておくべきだろう。カルチョにおいては運も重要だ」
また、リッピ氏はW杯の合宿中にスパイの存在を疑ったことを明かしつつ、そんな時も楽しんで過ごせたことがチームの快進撃につながったと考えている。
「ドイツとの準決勝の朝、ドルトムントの近くのピッチでウォーミングアップをしていた。私はその時に近くの松林の中で光るものを見た。カメラマンが何人か潜んでいて、こちらの戦術をスパイしようとしているのではないかと疑った」
「そこで選手たちに誰かが隠れているかもしれないことを伝え、こう指示した。『プレーするふりをしながら1列に並んで欲しい。そして誰かがいるかもしれない林を背にし、私の合図で腰をかがめてパンツを下ろすように』。選手たちは指示に従ってくれて、みんなでとても楽しんだよ。だが写真が1枚も出てこなかったのでカメラマンは潜んでいなかったということだろう」
「だが、このエピソードはチームが1つになって穏やかに過ごせていたことを意味する。優勝するためには不可欠な特徴であるだろう。チームに技術的な能力があっても、ハーモニーがなければダメなんだ。最も優秀な指揮官とは最も能力の高い者ではなく、チームを作り上げることができる者と言える」
