名将ファビオ・カペッロ氏が、イタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』のインタビューで古巣のユヴェントスに見解を示した。
今シーズンの序盤戦はインテルとスクデット争いを繰り広げていたユヴェントス。だが今年1月末のエンポリ戦以降、リーグ戦8試合でわずか1勝にとどまり、降格圏のチームと比較されるほど深刻な成績不振に陥っている。順位表ではミランに追い抜かれ、3位へと後退したマッシミリアーノ・アッレグリのチームについて、元指揮官のカペッロ氏が語った。ユーヴェの成績不振のきっかけは、2月のインテル戦の敗戦にあると指摘している。
「ユヴェントスの選手たちは、インテルとの対決において両チームの差を感じ取った。その反動として、アドレナリンや集中力が低下していった。その結果、ユヴェントスはこの低迷期を過ごしている。システムを3-4-3に変更すれば刺激に? インテルと競り合っていた時のユヴェントスと、降格圏レベルの平均獲得ポイントの現在のユヴェントスの違いは、失点にある。それにFWの人数を増やせば、得点が増えるというわけではない」
「アッレグリのチームは1月まで多くの勝利を収めたが、ほとんどの場合が1-0や2-1で僅差の勝利だった。数多くのチャンスを作り出し、大量得点を奪ったことはあまりなかった。一方、直近の8試合は、ジェノア戦の0-0はさておき、失点が目立っている。1試合で2失点することもあった」
「失点数とクオリティの低さ、これが真の問題だ。トリデンテにするかどうかではない。加えてアッレグリには、前線のトリデンテに起用する(キリアン)エムバペやヴィニシウスのような選手はいない。アッレグリが3-5-2に固執するということは、この方がバランスは良く、安定していると考えているからだ。自滅しようとする監督なんて誰もいない」
さらにカペッロ氏は、インテルやミランとの違いを指摘している。
「インザーギのチームや(ステファノ)ピオリのチームは、ユヴェントスと比較してチャンスメイクの数がずっと多い。なぜだと思うか? インテルは中盤のクオリティが高く、ミランはテオ(エルナンデス)と(ラファエウ)レオンのいる左サイドのクオリティに優れている。だから90分間にわたってあらゆる攻撃を編み出すことができる」