■浦和は興梠が9年連続得点も
王者の力を証明する完勝劇だった。
明治安田生命J1リーグは16日に第32節が開催され、等々力陸上競技場では2020シーズンの優勝を決めた川崎フロンターレと浦和レッズが相対した。
ホーム最終戦を迎えた川崎Fは、前節から二人の選手を変更。左サイドバックにケガから復帰した登里享平が入り、インサイドハーフにはこの試合がホームラストマッチとなる中村憲剛が名を連ねた。一方、敵地に乗り込んだ浦和は、高卒新人の武田英寿がプロ初スタメンを飾った。
試合は立ち上がりから川崎Fがゲームを支配。左のワイドに入った三笘薫がドリブルで敵陣を切り裂けば、中央のパスワークで相手を翻弄しながらゴール迫っていった。
しかし、試合を先に動かしたのは浦和だった。前半10分、ペナルティーエリア内のルーズボールを素早く拾った岩武克弥がチョン・ソンリョンに倒されてPKを獲得。これを9年連続二桁得点にリーチのかかっていた興梠慎三が沈め、浦和が先制に成功した。
リードを奪われた川崎Fは、失点以降さらにギアを上げていく。中央左右と攻撃を展開し、浦和を自陣にはりつけにすると、怒涛の攻撃で好機を作り出していった。
なかなかチャンスを決め切れないでいたが、圧倒的に攻め立てる中で、ようやく試合を振り出しに戻したのは53分のことだ。左サイドの組み立てから三笘のパスを受けた守田英正が右足を一閃。鋭いシュートがゴール右隅に吸い込まれ、川崎Fが同点に追いついた。
このゴールで一気に試合の流れは川崎Fへ。59分には右サイドの打開から山根視来のクロスに、ファーサイドで待った三笘がヘディングで押し込んで逆転に成功。61分には中村の難しいクロスを今度は小林悠が右足で流し込み、10分間で3ゴールを奪って浦和を突き放した。
飲水タイムを過ぎてからは巧みにゲームをコントロール。相手が選手を入れ替えて前に重心をかけてきたが、その狙いをかわしながら逆にゴールへと近づいていった。結局、4点目こそ奪えなかったが、浦和に追撃弾を与えることなくゲームは終了。優勝決定後2試合連続引き分けと、あと一歩勝ち切れない試合が続いていた中で、多くのサポーターが集まったホーム等々力陸上競技場で今季の強さを示す勝利をあげている。
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