明治安田生命J1リーグは31日に第25節が行われ、川崎フロンターレとFC東京が対戦した。
川崎Fが首位(勝ち点65/24試合)、FC東京(勝ち点47/28試合)が4位と勝ち点差は開いているものの互いに上位で迎えた“多摩川クラシコ”。前回の直接対決では川崎Fが4-0で快勝しており、FC東京にとってはリベンジマッチとなった。
また、この試合が開始する前の時点で、FC東京が今シーズン得られる勝ち点は最大で「65」。引き分け以下で優勝が完全に消滅する状況での一戦に、首都クラブはディエゴ・オリヴェイラやレアンドロ、アルトゥール・シルバらを先発起用する。
優勝に向けて独走を続けるホームの川崎Fは、この日が40歳の誕生日となっている中村憲剛や家長昭博、三笘薫らを送り出した。
試合開始直後、1分も経たないうちにFC東京が最初のチャンスを迎える。レアンドロのドリブルからこぼれたボールを三田啓貴が拾い、ボックス手前中央から左足を強振。GKチョン・ソンリョンにセーブされたが、積極的にゴールに迫っていく。
それでも徐々に川崎Fが支配を高める13分、ボックス手前中央やや右の距離のある位置から放たれた中村憲剛のミドルシュートがポストを直撃。直後にも三笘のドリブルが止められたところ、ボックス左でルーズボールを拾った中村憲剛のシュートが枠を捉えるなどベテランが存在感を高める。
その後も三笘がボックス左の家長にボールを当て、家長の華麗なヒールパスから三笘がシュートを放つなど川崎Fが攻勢を保つと、23分に裏抜けを狙ったレアンドロ・ダミアンが渡辺剛に倒されたとしてPKの笛。キッカーの家長が落ち着いてGK波多野豪の逆を突き、川崎Fが先制した。
反撃に出たいFC東京だったが、D・オリヴェイラが自陣深い位置での守備を強いられるなど苦しい状況が続く。カウンター時には比較的高い位置を取ることができる永井謙佑やレアンドロに早いタイミングでボールを供給しようとするものの、川崎Fが素早い切り替えで封じる。
三笘の仕掛けや中村憲剛の縦パスを中心に攻撃の手をまったく緩めない川崎F。39分には細かい連係から三笘、その1分後にもL・ダミアンがボックス内からシュートを浴びせるなど矢継ぎ早にゴールを脅かす。
前半ATにもボックス左からの折り返しに反応した中村憲剛のシュートが枠を越え、FC東京にとっては“1点をリードされた”というよりも“1点に抑えた”とも表現できるような内容で前半を終える。
折り返して迎えた後半、FC東京は三田に代えて中村拓海を投入するが、川崎Fが優位な展開は変わらない。53分には守田英正の精度の高い浮き球のパスに走り込んだ山根視来が、ボックス右から中央に折り返す。それでも、L・ダミアンがヒールで放ったシュートは渡辺がゴールの目前でブロックして加点を許さない。
すると57分、守備陣の奮闘にエースが応える。ボックス左でボールを受けたD・オリヴェイラが縦に突破して左足を強振。角度のないところからニアを射抜いて同点とした。
息を吹き返したFC東京は60分にも中村帆高の折り返しに反応したD・オリヴェイラがシュート。これはGKチョン・ソンリョンに阻まれたものの、一方的だった前半とは違った展開となる。
しかし74分、GK波多野がボックス内で家長と一対一という絶対絶命のピンチを止める大きな貢献を果たした直後に“今日の主役”が輝きを放つ。三笘がボックス左から中央に折り返すとニアの中村憲剛が左足で豪快なシュート。至近距離からゴール上部に突き刺して自身のバースデーを祝う勝ち越し弾とした。
FC東京は直後に永井とD・オリヴェイラに代えてアダイウトンと田川亨介を起用。対する川崎Fも中村憲剛に代えて脇坂泰斗を送り出すと、バンディエラには大きな拍手が送られた。
試合は、FC東京が再び振り出しに戻すことはできないまま終了。この結果、川崎Fが連勝記録を「12」に伸ばした一方、4連敗を喫したFC東京は優勝の可能性が完全に消滅した。
■試合結果
川崎フロンターレ 2-1 FC東京
■得点者
川崎F:家長昭博(24分)、中村憲剛(74分)
FC東京:ディエゴ・オリヴェイラ(57分)
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