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超攻撃的サイドバック像を確立する山根視来。川崎フロンターレでの目を見張る成長

■“新たな山根視来”を構築

 進化している。

 川崎フロンターレの山根視来のことだ。相手の強度の高い守備に手を焼いていた川崎Fは、迎えた37分に均衡を破る。左サイドから中央、右へとボールが動いていき、右サイドバックの山根はペナルティエリア内の中側にスペースが生まれていることを見逃さなかった。

「外にアキさん(家長昭博)が張っていたので、(脇坂)泰斗がドリブルしたときに中にどうサポートをしようかと考えていた。そして、アキさんに入ったときに、あそこにスペースがあったので走りました。ああいうボールをいつでも出せる人なので、信じて走ったらちょうど良いところにボールが来たのでリラックスして打つことができました」

 会心のボレーシュート。もともと攻撃的なプレーが得意だったとはいえ、今季DF登録の選手で最多となる3ゴール目を奪ったところに、山根の確かな成長を感じることができる。

 ゴール場面ではないが、例えば前節・サンフレッチェ広島戦で1点目の田中碧のゴールを演出したパスも見事だった。インサイドに入りながら田中とパス交換。突っ込むだけではなく、繊細なラストパスでチームメイトのゴールをアシストして見せた。

 加入当初は周りの技術レベルに圧倒されることもあったが、チーム内でトレーニングを積み、自分の長所を生かしつつ、技術レベルを上げる。周りに引き上げられながら、新たな山根視来を構築していることを印象付けるアシストだった。

 それ以外にも、インサイドに入っていく動きや的確な立ち位置を取るポジショニング、体を張った守備。攻守にフル稼働しながら自身の右サイドバック像を確立している。

■「他の選手たちも認めてリスペクト」

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 山根の目を見張る成長に、鬼木達監督もうなずく。

「やはり、彼が良いのは自分たちのサッカーだけに染まらないところ。自分は何が人と違くて、何を求められているかをすごく理解している。もちろんフロンターレにいる以上、技術的なところの成長はこれからも求めていきますが、それだけに目が行くとどうしても伸び悩みというか自分のプレーを忘れがちになってしまう。だけど、そこにとらわれ過ぎず、自分にあって他の人に無いものをどんどん出している。他の選手たちもそういうものを認めているし、リスペクトされているのは自信になっていると思いますね」

 もちろん、これで満足しているわけではない。さらなる技術レベルの向上や状況判断の改善、得点の増加は自身も求めているところ。浦和戦にしても他のチャンスを逃したことを悔いており、本当にDFなのかと疑ってしまうが、そこが山根の良さだと言っていい。

 超アグレッシブなサッカーを貫く川崎Fで、超攻撃的なサイドバックになる。背番号13が見据える頂きは、まだまだ高いところにある。

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