番組には、Jリーグの原博実副理事長、Jリーグウォッチャーの平畠啓史さん、JFA審判S級インストラクターの廣嶋禎数氏が登場。桑原学さんMCのもと、SNSで反応が多かったシーンをピックアップして議論を行った。
■DOGSOの4要件は満たす?
今回議論されているのは横浜FMvs柏の22分の場面だ。柏のチャンスシーンで浮き球のボールに反応した細谷真大が最終ラインの裏に抜け出そうとしたところ、チアゴ・マルチンスに倒されてファウルの判定。主審はイエローカードを提示した。
しかし、ボックス外でのこのプレーで細谷の前にはGK高丘陽平かおらず。DOGSO(決定的な得点機会の阻止)によりレッドカードが提示されるべきだったのではないかという意見が噴出した。
DOGSOの要件は『反則とゴールとの距離』、『守備側競技者の位置と数』、『プレーの方向』、『ボールをコントロールできているかどうか』の4つであり、すべてを満たせば基本的には退場となる。該当の場面を確認した平畠さんは、これらを満たしているのではないかと主張した。
「(当てはまらないものがあるとすれば)最後(ボールをコントロールできているかどうか)のところかなという気がしますが、僕はコントロールできるような気がするので。あのファウルがなかったらコントロールできているし、レッドになってもおかしくない。DOGSOの4要件を満たしているかなという気はします」
また、原副理事長は「(ボールが)当たったというか、最初に触ったのはチアゴ。その後の状況が、細谷の方にボールがこぼれて今度は入れ替わって細谷の方が身体が前に入った」と状況を整理しつつ「チアゴに当たったが、その後の状況を見るとDOGSOの4要件が当てはまったと考えるのが自然」だと述べた。
■VARが介入しなかったのはなぜか
20210526_Martins廣嶋氏もDOGSOを支持しつつ、主審がイエローと判断した根拠を推測している。
「個人的な判断としては、DOGSOだと思いました。ただ、皆さんがおっしゃっていただいたように、ボールのコントロールの可能性に対して疑問を持たれたのではないかなと思います。最後にボールに触れたのがDFの選手だったので、FWの選手はまだボールに触れていない。(ファウル時点でFWが)ボールをコントロール、まったくしていない状況だったので、そこで主審は疑問を感じて1段階下げて警告にしたというふうに私は思いました」
とはいえ、実際のところはFWが先にボールが触れているかどうかは『ボールをコントロールできているかどうか』という観点に影響を与えないことも説明した。
「攻撃側の選手が次にボールを、例えばワンタッチしてそこからシュートを確実に打てる状況であれば、ボールをコントロールする可能性というのもあります。そこは確実にDOGSOの中に入ってきます」
この事象に関してはMCの桑原さんも含めて番組の4人中4人がDOGSOによる退場を主張したが、実際の試合ではVARオンフィールドレビューは行われず。
このことについて廣嶋氏は「最終的にはオンフィールドレビューをするかどうかということは主審が決めるところなので。主審の方が明確に『いや、DFがボールに最初に触れているので、FWはまだコントロールしていない』と言い切ってしまえば、なかなかオンフィールドレビューにはならないのではないかなとは思います」と語った。
主審の裁量による部分もあるものの、DOGSOに当たるということで番組内では一致した今回の判定。T・マルチンスは、退場になっていてもおかしくなかったようだ。
今回の『ジャッジリプレイ』ではセレッソ大阪vsサンフレッチェ広島の59分の決勝点の場面、「ジャッジメント ワンポイント講座」としてアビスパ福岡vs湘南ベルマーレの32分にあったオフサイドに関する事例が解説されている。
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