■ミャンマー以上の実力があるベトナム
ベトナムはグループステージ第1戦で韓国女子代表と対戦し、人数をかけて守りを固めたが0-3で敗戦した。韓国は明らかに大量得点を狙っていたにもかかわらず、ベトナムは終盤まで韓国攻撃陣に付いていき、自由な攻撃は許さなかった。日本にとっては、初戦・ミャンマー以上の実力を持った相手と見るべきだろう。
「最後のクオリティが少し足りず、前半は1点にとどまった」と清水梨紗(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)が初戦の後に指摘したように、日本はこのベトナム戦で前半からしっかりとリードを広げていくことができるかがポイントになる。池田太監督も初戦後の会見で「チャンスは多く作れたと思う。それをしっかりスコアにすることをベトナム戦でトライしていきたい」と、フィニッシュの精度を高めることにフォーカスすると話している。
5バックでゴール前にベトナム選手が密集する中、大量得点を狙いたい日本としては、攻撃に緩急をつけながら得点を重ね、途中出場選手もその波に乗っていくことが重要だ。
ひとつの目安として、韓国が勝利を収めた3-0以上のスコアは手にしたい。ベトナムはラフプレーも目立つため、不用意なケガを未然に防ぐためにも、早い時間にスコアを伸ばしていければ、理想的な展開となる。
その一方、韓国相手に度々見せたベトナムのカウンターには注意が必要だ。MFグエン・ティ・トゥエット・ズン(7番)の、伸びのある左足キックには警戒を続けて試合を進めたい。
■初戦から大幅な先発入れ替えか?
GOAL池田監督はU-20(U-19)日本女子代表を国際大会で指揮したとき、グループステージでは全登録選手を起用した大会があるなど、さまざまな選手に試合を経験させる傾向にある。
そのため今回は、初戦から多くの先発を入れ替えると予想する。
初戦で出場時間が短かった菅澤優衣香(三菱重工浦和レッズレディース)などはもちろん、出番のなかった宮川麻都(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)、高橋はな(浦和)といった若手選手は、ベトナム戦でアピールの場を与えられるのではないか。
国内合宿の紅白戦では、熊谷紗希(バイエルン・ミュンヘン/ドイツ)がボランチでプレーする時間もあったため、それを試すのなら今回のベトナム戦かもしれない。
ミャンマー戦で課題として残ったフィニッシュの質にこだわり、その試合でチームのアクセントとなった成宮唯(INAC神戸レオネッサ)のような存在がまた出現すれば、チームは次のGS第3戦の「日韓戦」に向けて、さらに勢いを増していくはずだ。
