■経験の場ではなく勝ちにいく場
AFC U-23アジアカップの戦いが幕を開ける。日本はこの大会に年齢制限より2歳年少のU-21日本代表で参加。2年後に「U-23」になる、つまり2024年パリ五輪を目指すチームを参加させて強化を図る考えだ。
とはいえ、「年下だから負けても仕方ない。経験すればOK」といった安い気持ちで臨む大会ではない。コロナ禍でずっと離れてしまった国際試合の公式戦。選手一人ひとりが勝ちにこだわって戦わないことには得られる学びも半減してしまう。大岩剛監督は試合前の公式会見で、こう断言した。
「ハッキリ言えることは、われわれはこの大会を貴重な経験の場だと思って参加しているわけではないということ。優勝を目指してしっかり準備しています」
この点はミーティングでも選手たちには強調していたようで、A代表経験も持つMF松岡大起はこう語る。
「年齢は関係ない。相手が23歳だろうと、自分たちがやるべきことをやる。良い経験になるみたいな話があったかもしれませんが、チームとして勝ちに来ました。そこはミーティングの中でも確認できています」
目指すのはあくまでも勝利。2年後のパリ五輪予選を考えても、同様の短期集中型のカップ戦を、勝とうとして勝った経験を持っているかどうかは一つ重要な要素ではある。もちろん同予選のシード権を取れるという現実的なメリットもあるのだから、やはり「勝ちに行く」のは自然なことだ。
■初戦は難敵、優勝候補・UAE
Akihiko Kawabataまた初戦の前日練習を前にして、大岩監督はピッチ上で選手たちを集めて、こうも話している。
「今日の練習では(先発しない選手たちが)相手役をやってもらうことになる。そこで頑張ったことは、次に自分たちが出る番になったときに必ず返ってくる。逆に今日(先発する側で)練習した選手たちが逆の立場になったときも同じこと。試合に先発する選手もそうでない選手も関係ない。23人全員の力でこの大会を勝ちに行くんだ」
そう強く鼓舞し、最後のトレーニングに臨んだ。「勝ちに行く」というのが対外的な建前などではなく、指揮官にとって掛け値なしの本音であることも分かる一幕だった。
UAEとの初戦に臨むメンバーは判然としない部分もあるが、FW藤尾翔太(徳島ヴォルティス)、MF藤田譲瑠チマ(横浜F・マリノス)、DF加藤聖(V・ファーレン長崎)という遅れて合流してきた選手たちについては先発を回避する可能性もありそうだ。キックオフ時間は現地時間18時(日本時間22時)だが、この時期のタシケントは陽が長く、まだかなり暑いことも予想されるだけに、コンディション面は重要な要素になるからだ。
また、過去の事例を踏まえると、国際試合の真剣勝負を経験していない選手たちにとって最初の経験は少し難しいものになることも予想される。大会の優勝候補と目されるUAEとの初戦が簡単なものにはならないだろう。鈴木彩艶が「失点したあとの対応も大事」とリアリスティックに話したように、精神面を含めてアウェイのタフな戦いを乗り切りたい。
今回のU23アジアカップはパリ五輪やA代表に続く戦いであることはもちろん、ようやく戻ってきた「国際試合の真剣勝負」が若い選手とチームを大きく成長させる場であることも再認識する機会となる。U-17W杯などの国際舞台を経験している選手たちが力を出すことはもちろん、「絶対に結果を出したい」と強く意気込むFW中島大嘉のようなニューパワーの台頭にも期待したい。
[試合情報]
AFC U23アジアカップ2022
グループステージ第1戦
U-21日本代表 vs U-23UAE代表
2022年6月3日(金)日本時間22時キックオフ
TV放送:DAZN
