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【予想スタメン】日本代表、きょう19:10KOシリア戦で先発大幅変更へ…久保や冨安ら起用のリスクは?

 日本代表は11日、2026年ワールドカップ(W杯)アジア2次予選の最終節でシリア代表と対戦する。スタメン大幅入れ替えなら予想されるフォーメーションは?【取材・文=河治良幸】

■指揮官が入れ替え明言

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 森保一監督が率いる日本代表は広島でシリアと対戦する。すでに首位突破を決めている北中米W杯アジア2次予選の最終戦ということで、チームとしては3カ月後にスタートする最終予選に向けた大事な確認のテストと確認の機会であり、選手にとっては今後のサバイバルをかけたアピールのチャンスになってくる。

 特にミャンマー戦の出場メンバーが、初めて本格的に導入された3-4-2-1で5−0の勝利を飾り、左ウイングバックで存在感を示し、2得点を記録した中村敬斗(スタッド・ランス)を筆頭に、同システムでの評価を高めたと見られる中で、森保監督は「3バックは明日のシリア戦でもチームとしてより共有を図れるように、そして戦術の浸透度を上げていけるようにトライしたい。ミャンマー戦からは選手を大幅に入れ替えて戦いたい」と語った。

 つまりシリア戦でも引き続き、3-4-2-1でスタートすること、スタメンの大幅な入れ替えがあることを戦前に明言した訳で、当然ながらスタメンを予想する大きな手がかりとなる。ここでまず考えるべきはミャンマー戦で途中出場した選手たちに、このシリア戦でスタメンのチャンスが回ってくるかどうか。そしてミャンマー戦でベンチ外だった久保建英(レアル・ソシエダ)、長友佑都(FC東京)、冨安健洋(アーセナル)の状態をどう想定するか。もう1つが3-4-2-1でも複数のポジションが想定される選手がどこで使われるかだ。

 ベンチ外だった3選手の中で、コンディションに不安を抱える長友と久保については、前日の練習での動きや状態をチェックして判断することを森保監督は示唆している。長友は左ウイングバックが有力だが、ミャンマー戦では前田大然(セルティック)が途中から中村に代わり、直接のゴールやアシストこそ無かったものの持ち前の推進力と運動量で終盤のチームを活性化させた。またミャンマー戦では右側で途中出場した相馬勇紀(カーザ・ピア)も本来は左サイドを得意とする選手で、名古屋時代に左ウイングバックの経験がある。さらに言えばミャンマー戦はボランチだった旗手怜央(セルティック)もプレー可能なポジションだ。

 久保がスタートから出るなら、ほぼ間違いなく右シャドーだろう。ただし、ミャンマー戦で途中から投入されて、良い動きを見せた鈴木唯人(ブレンビーIF)がスタメンでチャンスをもらう可能性もある。森保監督も9月まで活動が開く事情を前置きしながら「ケガのリスクがあるようなら、そこは無理するところではない」と語っており、スタートから出すメリットよりリスクを考えるならベンチスタートで、投入されるとしても後半途中からというのが想定はしやすい。もう一人の冨安についてはミャンマー戦は温存の意味合いが強く、シリア戦は3バックの右でスタメンが予想される。

■「上手い選手がハードワーク」

20240611_Japan_Formation(C)GOAL

 そうしたことを踏まえてポジションを見ていくと、GKはホームグラウンドとなる大迫敬介(サンフレッチェ広島)が有力か。日本にとって自慢のセクションとなりつつあるディフェンスライン、3バックは右が冨安、中央はミャンマー戦でボランチに途中投入された板倉滉(ボルシアMG)、そして左は町田浩樹(サンジロワーズ)という強力なセットが予想される。シリアは192cmのFWオマル・アルソマにロングボールを入れてくる攻撃が多く、相手が1トップにしても2トップにしても、しっかりと跳ね返すことが求められる。さらに飛び出してくる選手をいかに捕まえるか。基本3人でピッチ横幅68メートルをカバーする中で、カウンターの対応も見所になる。

 右ウイングバックは森保監督が前日会見で「ミャンマー戦でシャドーのポジションでプレーしてもらったので、チームとして戦術の幅を広げられるようにしたい」と言及した通り、堂安律が所属クラブのフライブルクでも経験している同ポジションでテストされそうだ。その堂安について森保監督は「上手い選手がハードワークして攻守ともにチームに貢献するという部分、期待したいと思いますし、こんな上手い選手がこんなハードワークするんだっていうところをまた将来日本代表を目指している子供たち、サッカー少年少女に見てもらえたら嬉しい」と期待を寄せる。

 左ウイングバックは上記の通り、長友のコンディションも気になるが、前日練習で前田が別メニュー調整だったことを踏まえると、最も可能性が高いのは相馬か。もちろん試合の途中で長友の投入や旗手の起用、あるいはミャンマー戦で結果を出した中村を出して新たな組み合わせをテストする可能性もあるが、スタメンとしては相馬を予想する。ミャンマー戦は右ウイングバックが菅原由勢(AZ)で、サイドバック的な立ち位置で、左の中村を前に上げる役割を果たしていた。シリア戦は右が堂安になると想定するなら、左がどう関係していくのかは今後の組み合わせを考える意味でも興味深い。

 ボランチはミャンマー戦で出番の無かった遠藤航(リヴァプール)と田中碧(デュッセルドルフ)のコンビが既定路線だろう。あとはGKの大迫と同じくホームグラウンドでの代表戦となる川村拓夢(サンフレッチェ広島)が、ピッチ上でお披露目となるかどうか。2シャドーの右は久保をスタメンで起用する可能性もあるが、A代表経験の少ない鈴木をより長い時間で見るチャンスでもあり、左の南野拓実(モナコ)とのコンビを予想する。ただし、二人とも右利きのアタッカーで、2列目ならどこでもこなせるため、蓋を開けたら左右が逆になるかもしれない。

 1トップは上田綺世(フェイエノールト)でほぼ間違いないだろう。ミャンマー戦では同ポジションの小川航基(NECナイメヘン)が2得点1アシストの活躍、さらに直接ボールに触らなかった中村の先制点や堂安による追加点でも、ゴール前でディフェンスを引き付ける効果を見せており、これまで4-2-3-1や4-3-3で結果を出してきた上田としても、改めて1トップ2シャドーの形でも存在感と結果を示してもらいたい。

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