FCバサラ・マインツ(ドイツ6部)の指揮官を務める岡崎慎司氏について、イタリアのサッカーメディア『クロナケ・ディ・スポリャトーイオ』が特集記事を掲載し、インタビューを紹介した。
同メディアは、かつてイタリア人指揮官クラウディオ・ラニエリの下、レスターで奇跡のプレミアリーグ制覇を達成した岡崎に注目。昨シーズン限りで現役を引退し、ドイツで指導者として新たな人生を歩む元日本代表FWについて「オカザキとバサラ・マインツ……ブンデスリーガを目指す日本人のチーム」との見出しで特集を組んだ。
特集では、岡崎氏が自ら立ち上げたクラブにおいて「可能な限りブンデリーガへ近づきたい」との目標を掲げていることを伝えると共に、本人に対して「キャリアを通じて出会った選手や監督、ディレクターのうち、1人だけプロジェクトに巻き込めるとしたら、誰をマインツへ連れてきたいか」との質問を投げかけた。すると岡崎氏は、レスター時代の同僚や指揮官、元日本代表監督のアルベルト・ザッケローニ氏の名前を挙げている。
「ジェイミー・ヴァーディです。彼は8部から出発し、プレミアリーグの得点王になり、優勝も経験して唯一無二のキャリアを歩みました。彼には経験があり、下部リーグから出発することに慣れています」
「ザッケローニさんも連れていきたいですね。3カ月前に会って、彼が日本代表の指揮を執っていた時期の話をしました。極めて偉大なキャリアを歩んだ監督です。興味深いアドバイスもくれました。また、ラニエリさんも良いかもしれませんね。ローマでの指導を終えたら、バサラに来て欲しいです。彼にはまだエネルギーとモチベーションがあります」
■奇跡の年のラニエリとの逸話
しかしラニエリ氏に対しては、プレミアリーグ制覇を果たした2015-16シーズンに十分な出場機会を与えられず、当時は複雑な思いもあったようだ。「5ゴールしか挙げられなかったし、僕はストライカーなので、その点では腹が立ってました。また全ての試合に先発できなかったので、ラニエリと口論をしたこともありましたね」とコメント。だが「このシーズンは歴史的なタイトル獲得で幕を閉じたので、みんな満足していましたよ」とハッピーエンドとなったことを明かしている。また優勝の瞬間については、以下のように回想している。
「単純に信じられませんでした。リーグ優勝、それもプレミアリーグ優勝なんて普通ではありません。シーズン開幕時には誰も予想していませんでした。トッテナムとチェルシーが引き分けたことで優勝が決まりましたが、その時はみんなでヴァーディの家で試合を観戦していました。あの時の思い出は忘れられませんよ」
そんな岡崎について、イタリア紙『コリエレ・デロ・スポルト』も「オカザキがラニエリをドイツに呼んでいる」と報道して注目。「日本人だけのチームを設立し、指揮官として特別な夢を持っている」などと紹介した。