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なでしこジャパン、日韓戦。アジア3連覇とW杯への第一関門を突破せよ!/女子アジア杯プレビュー

■岩渕復帰も、出場は限定的か?

 ともに2連勝の日本と韓国は、すでにノックアウトステージ進出を決めたが、今回の日韓戦はグループ首位通過を懸けた一戦となる。

 現在日本が得失点差「3」で韓国を上回っているため、日本は引き分け以上でグループC首位が確定する。日本が仮に敗れるとグループC2位となり、準々決勝オーストラリア戦が濃厚となるため、それは避けたい。アジア3連覇、そして女子W杯出場権獲得(※)のための第一関門が今回の日韓戦だ。

 日本はここまでの2試合で大差の勝利を収めたが、前半で相手を圧倒できない課題を抱えている。3日前のベトナム戦後、池田太監督が「もう少しコンビネーションや質を含めて上げていかなければ」と話せば、熊谷紗希も「選手の中でもタイミング的なズレや技術的なズレがある」と現状を厳しく見ている。

 ただ、後半に選手を交代しながらしっかり得点を重ねているのも事実。

 第1戦の長谷川唯、第2戦の成宮唯がそれぞれヒロインとなり、岩渕真奈不在の穴を埋めてきた。それを支える猶本光のプレースキック、田中美南のチャンスメイクも頼もしい。池田監督が掲げる「アグレッシブに奪う」サッカーも度々見られたため、それが韓国にも通用するのかがみどころだ。

 そして、新型コロナウイルスの陽性判定で隔離生活だった岩渕が陰性となり、韓国戦の2日前からチームに合流した。

 部屋の中でエアロバイクに乗り、ボールフィーリングを確かめる日々だったと言い、「7日間動かずに部屋にずっといた。(合流初日の感想は)なんか微妙だなと思ったのが正直な気持ちだが、チームに貢献したい気持ちは強く持っているし、試合に出たい気持ちはものすごくある」と意気込みを語っている。ただし、今回の出場は限定的だろう。日本がリードを許した状態で60分あたりまで過ぎない限り、岩渕の出場は見送られ、ノックアウトステージに照準を合わせるのではと予想する。

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■国際大会で低迷が続く韓国だが

 韓国は2019年女子ワールドカップフランス大会で3連敗し、GS最下位で終わった上、東京五輪出場も逃すなど低迷が続く。2021年10月の強化試合では、アウェイでアメリカと0-0で引き分ける健闘を見せたが、今大会を見ると格下を圧倒できない問題を抱えているようだ。しかし池田監督が「これまでの2試合より難しい試合になることは感じている」と警戒するように、日韓戦となるとボール際の激しさが一層増すのはいつの時代も同じだ。

 アジア屈指のゲームメイカーで、なでしこリーグでもプレーした10番チ・ソヨン(チェルシーFC)は今大会3得点を決めており、好調を維持している。熊谷を中心とした守備陣は第2戦まで出番が少なかったが、相手を波に乗らせないようチ・ソヨンへのパスを分断できるか。また、左サイドバックやボランチでプレーする16番チャン・スルギ(仁川現代製鉄レッドエンジェルズ)の攻撃参加にも気を配りたい。

 プレー強度が一気に上がると見られる日韓戦を乗り越え、グループ首位でFIFA女子ワールドカップオーストラリア&ニュージーランド2023出場権獲得に王手をかけられるか? 注目の韓国戦は27日17時(日本時間)キックオフ、DAZNで生配信される。

※FIFA女子ワールドカップオーストラリア・ニュージーランド2023への出場権は本大会上位5チームに与えられる。上位5チームに開催国・オーストラリアが入った際は、6位のチームに出場権付与。



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