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日本代表で定着進む"可変布陣"。カナダ戦で注視したい森保監督の思惑とは?/予想スタメン

 日本代表は13日、「MIZUHO BLUE DREAM MATCH 2023」でカナダ代表をデンカビッグスワンスタジアム(新潟)に迎える。

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離脱や辞退をした選手が複数出た中で、“森保ジャパン”はどのような陣容でこの一戦に臨むのだろうか。【取材・文=河治良幸】

■試合の位置付けに変化

20231013_Japan_Pre1(C)Getty images

 9月の欧州シリーズではドイツ代表に4−1で勝利し、さらにスタメン10人を入れ替えたトルコ代表戦でも久保建英(レアル・ソシエダ)らが躍動して4-2の勝利を飾った。ドイツ戦では後半から3バック(守備は5-4-1)に切り替えたが、基本的には4-2-3-1を軸にしながら守備は4-4-2、攻撃はボールを握る流れの中で4-3-3あるいは4-1-4-1に可変するスタイルが定着しつつある。

 当初のメンバーを見るとフィールドでは鎌田大地(ラツィオ)と堂安律(フライブルク)は現在のコンディション面も配慮する形で選外に。リーグ・アンで好調の南野拓実(モナコ)やケガから復調した旗手怜央(セルティック)、そしてアキレス腱のケガでカタール・ワールドカップ(W杯)を欠場した中山雄太(ハダースフィールド)が11カ月ぶりに戻ってきたが、9月の欧州シリーズから大きな変更はなく、今年11月の2026年W杯アジア2次予選や来年1月のアジアカップに向けた成熟路線にも見られた。

 しかし、負傷で辞退となった前田大然(セルティック)に代わり川辺駿(スタンダール・リエージュ)が追加招集で代表復帰。さらに左サイドの主翼を担っていた三笘薫(ブライトン)がコンディション不良で参加できなくなり、ドイツ2部で活躍が目立つ元大宮アルディージャの奥抜侃志(ニュルンベルク)が初招集されたことで、様相が変わってきた。

「今回、招集できなかった選手がいる中で、まだまだ日本人には良い選手がいる。全体の経験値を上げるうえでは良い機会。アジア予選では誰が出ても、誰が組んでも機能するという普段からチームとして共有していることを明日の試合、次の試合に向けて準備したい」

 森保一監督もそう語ったが、気になるのは2列目の組み合わせだ。元々、鎌田と堂安が不在の状況で、ドイツ戦は途中出場だった久保やカタールW杯以来の復帰となる南野をどう組ませるかというキーポイントがあったところに三笘の代わりを誰が担うかというテーマが加わった。また今季のセルティックでは右サイドで起用されていた前田の不在も、選手起用に少なからず影響を与えそうだ。

■攻撃陣の組み合わせは?

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 森保監督は前日会見で、4-2-3-1がベースであることを踏まえながら、カナダ戦に関しては4-1-4-1でスタートする可能性も示唆していた。ただし、どちらでスタートしても流れの中で可変する構成であることは間違いなく、カナダの配置なども見ながらどちらにも転用できる布陣になるはずだ。

 つまり4-1-4-1の場合、インサイドハーフの片側は守田英正(スポルティングCP)や川辺と言ったボランチもできる選手で、もう片方を4-2-3-1のトップ下に挙がる南野か久保が入ると見られる。旗手はどちら側にもなれるので、次のアジア2次予選から招集枠が3人少ない23人に戻ることを想定しても、重宝される可能性の高い選手だ。

 三笘がいない左に関して森保監督は「ウインガーがほとんど招集できなかったり離脱になってしまった事実がある中で、中村敬斗(スタッド・ランス)がまずは候補かなと思っております」と語っており、順当ならトルコ戦でも2得点した中村がカナダ戦のスタメンになりそうだ。難しいのは仮に途中交代となった時に、誰が入るのか。奥抜が合流直後の体調不良でカナダ戦が開催される新潟にも来ておらず、練習で左にも入った南野や元々このポジションをこなせる旗手の起用が考えられる。

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 右は伊東純也がファーストチョイスであることは変わらないが、森保監督は久保の起用法に関して「一番生きるところは4-3-3の右ウイングかなと思っています」と語っており、4-3-3を4-1-4-1と同義に捉えるならば右サイドで起用されるケースもありそうだ。しかも今回は堂安がおらず、右サイドの候補になりえた前田もいないため、例えば久保が90分の中で4-2-3-1のトップ下から4-1-4-1の右サイドに回るシチュエーションもあり得る。

 1トップは上田綺世(フェイエノールト)、古橋亨梧(セルティック)、浅野拓磨(ボーフム)の3人ともスタメンの可能性はあるが、9月のシリーズでドイツ戦は途中出場、トルコ戦は出番が無かった浅野が有力か。古橋に関しては親善試合ということもあり、神戸で行われるチュニジア代表戦で凱旋というのが美しい流れではある。

■相手の左サイドがホットゾーン

20231013_Japan_Pre3(C)Getty images

 ディフェンスラインでは、左サイドバックのスタメンが中山になるのはほぼ確実と見られる。9月の2試合でフル出場した伊藤洋輝(シュトゥットガルト)が、試合前の2日間で別メニュー調整となっているためだ。右サイドバックは序列で考えれば菅原由勢(AZ)だが、前回のトルコ戦でアシストなど評価を高めた毎熊晟矢(セレッソ大阪)の抜擢も。カナダはアルフォンソ・デイヴィス(バイエルン)の左サイドでの出場が予想されるだけに、この試合のホットゾーンになりうる。

 センターバックは冨安健洋(アーセナル)と板倉滉(ボルシアMG)のコンビで行くのか、谷口彰悟(アル・ラーヤン)がチャンスを得るのか。町田浩樹(サンジロワース)は右サイドバックの橋岡大樹(シント=トロイデン)とともに、やや合流が遅かったので、スタメンということではチュニジア戦がターゲットになるかもしれない。

 ただ、今回のシリーズは1試合目が金曜日開催だが、次回活動の2次予選は木曜日にスタートするため、週末の試合が遅かった選手はより厳しいスケジュールで試合に合わせていかなければならない。コンディションをチェックしながらにはなるが、合流の遅かった選手も1試合目にぶつけていく可能性がゼロではないことを想定しておくべきだろう。

 GKは大迫敬介(サンフレッチェ広島)だけが前回からの継続で、前川黛也(ヴィッセル神戸)とパリ五輪世代の鈴木彩艶(シント=トロイデン)が招集されたが、前川が負傷で離脱。アルビレックス新潟の小島亨介が追加招集された。合宿の初日から合流していることや、チームのやり方を理解していることも踏まえて、カナダ戦は大迫がゴールマウスを守ると予想されるが、東京五輪のメンバーでもあった大迫と鈴木、同世代の実力者である小島による競争は大きな刺激を生み出しそうだ。

 今回のカナダ戦では、基本的に森保監督がファーストチョイスとして考えるメンバーがスタメンになるはずだが、合流時期を含めたコンディション面、さらには2次予選、アジアカップと続いていく公式戦を前にした最後の試合が次のチュニジア戦ということで、実力の分かっている主力の一部をチュニジア戦に残し、より見極めたい選手をカナダ戦で試すというプランも考えられる。親善試合はそうした側面もあるだけに、カナダ戦でどういったスタメンになるかは森保監督の思惑を探る意味でも注目だ。

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