日本代表の主将を務めるDF吉田麻也が、改めてアジアでの戦いの難しさを語っている。8日に行われたカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の中国代表戦後、メディア取材に応じた。
9月よりW杯アジア最終予選をスタートさせている日本。2日の初戦ではホームにオマーン代表を迎えたが、0-1でまさかの敗戦を喫し、吉田は「あってはならないことをしてしまった」と悔しさと危機感をにじませていた。
それからカタールのドーハに移動し、8日に中国と対戦。オマーン戦では局面で競り負けてシュートまで至らない展開が目立ったが、中国戦では対人面で大きく上回ったうえ、チームとしても素早い連係や積極的な縦パス、ディフェンスラインが高い位置をとってのフィードなど多くの改善が見られ、1-0での勝利を飾ることに成功した。
オマーン戦の敗戦から立ち直っていく過程で選手だけのミーティングを行ったことを、中国戦後のメディア対応で明かした吉田。主将として「要所でチームに話すことも個別に話すことも意識しています。今回も全体に話しましたし、カタール初日の練習から明らかに違いました。毎回そういう気持ちで全員が挑まないといけないし、代表キャリアは非常に短くて一瞬一瞬を大切に過ごさないといけない」と代表選手としての矜持を示す。
一方で、中国戦で追加点が奪えなかった点について戦術的な見解を問われた吉田は「典型的なアジアでの試合の中で相手がブロックを敷いて守備をしてくると、それを崩すのはこのチームだけでなくザックジャパンの時代もやっぱり簡単ではなかったです」とコメント。自身がオーバーエイジとして参加した東京五輪・準決勝のU-24スペイン代表戦では反対の立場だったと説明した。
「五輪のスペイン戦では僕らがブロックを敷いて、彼らが崩すのに四苦八苦していました。ですが、やっぱり点を取る選手が結果を残してくれたのは心強いです。試合を決定付ける選手が前にいると助かるなと大迫選手を見て感じました。ただ、複数得点を取らないと、イレギュラーもありますし、追加点を取って相手の勢いを止めないといけないというのが今日の大きな課題だと思います」
現実を直視しながらも課題を強調した吉田。最終ラインからチームを支える主将は、「次の10月シリーズは前半戦の鍵になる」と、早くも次の戦いへと意識を切り替えている。
