日本代表は6月6日、国立競技場で行われるキリンチャレンジカップ2022でブラジル代表と対戦する。試合の見どころや対戦相手の特徴を整理した。
■試合の位置付け
カタール・ワールドカップ(W杯)でドイツ代表、スペイン代表と同居した日本が本大会を見据えて戦う強化試合。UEFAネーションズリーグの開催時期が被っているため、欧州各国との試合が困難な中で、多くの選手が欧州強豪クラブに在籍しているFIFAランキング1位のブラジルとのマッチメイクはこれ以上ないものだ。
森保一監督も今回の活動で最初の試合となった2日のパラグアイ代表戦が行われる前の段階で、ブラジル戦にアジア最終予選の主力を軸としたベストメンバーをぶつけることを明言。さらに、前日会見では「チームのコンセプトは世界で勝っていくことを見据えてやってきた」と口にしており、重要な試金石となることは間違いない。
本大会を想定すれば、ブラジルは引き分け以上が求められる相手。とはいえ、ドイツ、スペインのどちらかから勝ち星を拾うチャンスも求めていきたいと考えると、負けないことをベースにしつつ少ないチャンスをものにできるかどうかというところまで持っていきたい。
対世界という意味で、ボールを奪った直後のプレーが鍵になると指揮官は語った。
「まずは奪ったときのプレス回避。世界の強豪と対戦したときにそこで“食われて”しまうのか、試合の結果が違ってきた歴史があります。そこの予測力を速くして攻撃に移っていけるようにしたい。結果を出すために予測力を上げられるかがカギになるので、テーマとして臨みたいです」
チームとしての戦いが重要となる一戦。その中でも個々のマッチアップにおいてどれだけ勝負できるかも重要だと森保監督は強調している。その言葉通り、それぞれのスピードやインテンシティ、テクニックなどがこのレベルで武器となり得るかも本大会に向けたチーム構築を考えるうえで重要な要素に。チームとして引き分け以上の結果を目指しつつ、各選手の特徴を出し切ることが大きな積み上げに繋がるだろう。
■ブラジル代表の特徴
(C)Getty images日本とブラジルは過去に12度対戦しており、日本は2分け10敗未勝利。直近では2017年11月に親善試合で顔を合わせたが、1-3で屈した。言わずと知れた世界最強国の一角であり、W杯が開催されるたびに優勝候補に挙がるチームだ。
また、今回の南米予選は14勝3分け無敗(1試合未消化)、40得点5失点という圧倒的な成績で首位通過。近年ではなかなか国際大会では結果を残せていない印象もあるが、4試合を残した状態で首位を確定させるなど南米予選での成績は史上最高を記録した。
攻撃的なスタイルで知られたブラジル代表だが、最大のスターであるネイマールへの依存度はそれほど高くない。マルキーニョスらを軸とするディフェンスライン、カゼミーロらを中心とした中盤の高い強度を生かしてボールを狩り切り、素早く前線に渡してネットを揺らしてしまう。ネイマールの存在感は特別なものがあるが、この打開力に頼ったチームではない。
また、その組織を作り上げたチッチ監督は「日本がしているように、我々も日本について動画を見て分析しています」とコメント。2018年のロシアW杯でも日本がベルギー代表に勝利していればベスト8で当たる相手だったことや、遠藤航や伊東純也、南野拓実ら中心選手の特徴を挙げ、油断している様子はない。日本が本大会で結果を残すための課題と収穫を得るため、結果を求めるだけだけでなくチャレンジする姿勢を示したい。
■注目選手
(C)Getty images【ブラジル代表】ヴィニシウス(レアル・マドリー/スペイン)
リヴァプールとの決勝戦を制してチャンピオンズリーグ(CL)を制したレアル・マドリーだが、その試合で決勝点を沈めたのがヴィニシウスだ。キャリア当初より非凡な才能を見せていた一方で得点力が課題に挙げられていたが、2021-22シーズンに開花。21歳にしてクラブで公式戦52試合22ゴール20アシストの結果を残しており、セレソンの次代のエースとしても期待される。
その特色はやはり唯一無二のリズムを備えるドリブル。どれだけ警戒しようとも時には突破してしまう破壊力は説明不能であり、日本としてはまず人数をかけながらボックス内に入り込ませないことが重要かもしれない。ヴィニシウスに入る瞬間に奪い切ってカウンターに繋げられれば理想だが、入れ替わられてしまえば一転して絶望的な状況となる。
【日本代表】遠藤航(シュトゥットガルト/ドイツ)
ブンデスリーガで2年連続デュエルキングに輝いた遠藤。世界的にもトップクラスの強度を誇ることを証明し、実力に疑いはないが、クラブではなく代表チームの中でもトップレベルの相手に機能することができるかが注目だ。もちろん代表においてもこれまで凄まじい貢献度を誇ってきたが、今回は相手の全選手が警戒に値する中で中盤のコーチングという意味でも絶妙なバランス管理が求められる。
また、森保監督は前日会見でブラジル戦のスタメンがほぼ練習通りになると明言。伊東純也、古橋亨梧、南野拓実の3トップが先発予想となるが、スピードを武器とする選手たちに素早く良いボールを配給できるかという点も、強豪に勝利するうえで不可欠な要素となる。切り替えの速さはチームとしてのストロングにしていきたい意思を明確にしており、本大会ベスト8以上を目標に掲げるのであればブラジル相手にも上回る場面は作りたい。その根幹を担う中盤の心臓として、遠藤のプレーは重要なポイントとなる。
■試合情報
(C)GOALキリンチャレンジカップ2022
- 対戦カード:日本代表 vs ブラジル代表
- 日程:2022年6月6日(月)
- キックオフ時刻:19:20
- 会場:国立競技場(東京)
- TV放送予定:日本テレビ系列にて全国生中継
文=上村迪助(GOAL編集部)
