J2上位争い、昇格候補筆頭は?カギを握るルヴァンカップ【2019シーズンJ2展望】

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2019シーズンの明治安田生命J2リーグが2月24日に開幕する。昨季は松本山雅FC、大分トリニータが自動昇格を果たし、柏レイソル、V・ファーレン長崎が降格。J3からはFC琉球と鹿児島ユナイテッドがJ2に昇格した。今季も昨季同様、全22クラブが全42節を戦うJ2リーグ戦。ここでは、J1参入プレーオフ含む昇格争いに絡むであろうクラブを取り上げ、昇格争いを展望する。【文=大島和人】

■ACLプレーオフがJ2上位争いに与える影響

2月24日のJ2開幕を控えた19日の夜、今季のJ1昇格争いを考える上でかなり重要な2試合が行われた。それはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)2019プレーオフだ。

日本勢はまず鹿島アントラーズがニューカッスル・ジェッツを4-1で下している。サンフレッチェ広島は延長戦を終えても0-0決着がつかない激闘の末、PK戦でチェンライ・ユナイテッドを退けた。

ACLのプレーオフが、なぜJ2の上位争いに影響するのか? それはこの2試合がJリーグYBCルヴァンカップの出場枠に影響していたからだ。

昨季のJ2は首位・松本山雅FCから4位・FC町田ゼルビアまで4チームが勝ち点1差にひしめく大混戦だった。2017年までの5シーズンを見れば、自動昇格クラブの勝ち点が80を下回ったことは一度もない。ただし昨季は最高勝ち点の大分でさえ「77」にとどまった。

また、J2への自動降格が3クラブになった2009年以降、少なくとも1チームは1年でJ1に復帰している。しかし2018年はヴァンフォーレ甲府、アルビレックス新潟、大宮アルディージャの3クラブがすべてJ1復帰に失敗した。ポテンシャルを持ったチームが、それを発揮できなかった。

考えられる要因の一つはルヴァンカップだ。18年から導入された現行方式は、グループステージに16チームが参加するスケジュールを組んでいる。大会の開幕は3月上旬で、直前に穴が開けば日程が混乱する。もちろん日程的にACLとルヴァンカップの掛け持ちは不可能だ。降格クラブはJ1クラブがACLプレーオフを突破した場合の言わば“緩衝材”とも言えるのだ。

2019年のルヴァンカップは昨季のJ1で17位の柏レイソル、18位のV・ファーレン長崎が“仮参加”の状態にあった。19日の結果により開幕5日前というタイミングで、柏、長崎の正式出場が決定した。

J2の他チームは同大会に参加しないため、日程面で柏、長崎はどうしても厳しくなる。昨季の甲府はルヴァンカップのグループステージを突破した影響もあり、リーグ戦42試合、ルヴァンカップ10試合、天皇杯4試合の計56試合を消化した。これは当然ながらJ2最多で、鹿島の「60」に迫る数だった。

■降格組の柏、長崎の力量は?

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それでは、個々のクラブの動向を見て行こう。

◎柏レイソル

柏は昨季のACLに出場した地力を持ち、普通に考えれば昇格候補の筆頭だろう。今オフは日本代表の伊東純也、U-22代表の中山雄太(→PECズヴォレ/オランダ)、鈴木大輔(→浦和)ら主力がクラブを離れたし「強くて安定感の出せるセンターバック」の不在も若干の懸念材料だ。

しかし中村航輔や小池龍太、手塚康平など前途有望な人材がいて穴を埋め得る新戦力も補強している。エースのクリスティアーノは昨季こそ「結果が出ず、力んで空回りする」という状態だったが、身体は例年通りに動いていた。さらに2011年のJ1制覇など、柏の黄金時代を指揮したネルシーニョ監督も復帰した。

それでもルヴァンカップとの掛け持ちは懸念材料だ。過去の采配を見るとネルシーニョ監督は週中のカップ戦も「ベストメンバー」「主力」を引っ張る傾向が強い。極端にタフなクリスティアーノは例外だが、中6日の相手に中2日・3日で戦う状況が何度も続けばチームはスポイルされる。そのような想定から、J1昇格の可能性は五分五分と見る。

◎V・ファーレン長崎

長崎も間違いなくグッドチームだ。ただ鈴木武蔵(→札幌)、中村慶太(→清水)、田上大地(→柏)らの移籍を考えると、戦力的にはマイナスからのスタートだろう。韓国人トリオの能力、適応も蓋を開けないと分からない。加えて柏と同じくルヴァンカップの負担がある。週中に公式戦があると、仮に選手を入れ替えても、分析や練習などリーグ戦への準備時間が削られる。

明るい材料に目を向けると、高田明社長の経営手腕やクラブの勢いはピッチ内にポジティブな影響を及ぼすだろう。手倉森誠監督の采配も期待感が高い。

■昨季のJ2上位陣の動向は?

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続いて昨季のJ2上位に話を移す。大分と松本が自動昇格を果たした一方で、3位・横浜FC、4位・町田、5位・大宮アルディージャ、6位・東京ヴェルディ、7位・アビスパ福岡はいずれも70以上の勝ち点を得つつJ1に届かなかった。

◎大宮アルディージャ

大宮を昇格候補の筆頭に挙げるべきだろう。昨季のJ2得点王・大前元紀が残り、相棒にはファンマ・デルガドが長崎から移ってきた。ファンマはボールを収めて時間を作るだけでなく、セットプレーの守備も含めた戦術的なタスクが期待できる大型FW。技術と判断力も兼ね備えており、大前を活かす役目も期待できる。

加えて横浜FC、長崎でJ1昇格を経験した高木琢也監督の就任が大きい。「ソリッドなチームを作る」「相手の弱点を突く」という手腕に優れた、反町康治や小林伸二と並ぶ「J2マエストロ」だ。

◎横浜FC

横浜FCは良くも悪くも昨季から大きな変化がない。イバ、レアンドロ・ドミンゲスといった人材はいるものの、プラスαが見えてこない。新加入の伊野波雅彦(←神戸)は素晴らしいキャリアを持つ守備のオールラウンダーだ。ただ昨季10試合しかリーグ戦に出ていない彼に、大きな期待はするべきでない。

◎FC町田ゼルビア

昨季の町田はクラブ史上最高の成績でシーズンを終えた。セットプレーからの得点が多く、1点差で勝ち切る勝負強さが光った。6季連続の采配となる相馬直樹監督の「攻守にチャレンジする」「押し込む」スタイルも健在だ。加えてサイバーエージェント社の傘下に入りでクラブは資本的な安定度を増し、悲願のJ1ライセンス獲得もメドが立った。

プレースキッカーの平戸大貴の鹿島復帰は不安要素だが、富樫敬真(←横浜FM)、ジョン・チュングン(←横浜FC)といったアスリート性の高いアタッカーを新たに獲得。よりパワフルで迫力のあるチームとしてJ1を目指すことになる。

◎東京ヴェルディ

東京Vは名将ロティーナがセレッソ大阪の新監督となり、ギャリー・ホワイトが新監督となった。井林章(→広島)、ドウグラス・ヴィエイラ(→広島)、アラン・ピニェイロ(→千葉)ら主力の移籍は痛手だろう。

一方でユース出身の河野広貴(←鳥栖)の復帰はサポーターに希望を持たせる材料だ。

◎アビスパ福岡

福岡は井原正巳監督が去り、ファビオ・ベッキア監督の下で再出発を果たしている。

前線は石津大介、城後寿、森本貴幸と実績豊富な選手はいるが、上積みが見えてこない。二桁得点を取る選手が3人、4人と出なければJ1昇格は難しいし、ドゥドゥ(→甲府)、レオミネイロ(→岡山)、ユ・インス(→FC東京)がクラブを去ったことで陣容に薄さは否めない。14日に加入が発表されたコロンビア人FWフェリックス・ミコルタの力量に注目したい。

■可能性を感じる甲府、千葉

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キャンプを取材して可能性を感じたのが昨季の9位・甲府だ。

小塚和季(→大分)や島川俊郎(→大分)、道渕諒平(→仙台)らのJ1移籍は痛手だが、ウタカ(←徳島)、ドゥドゥ(←福岡より復帰)、ジュニオール・バホスと揃ったアタッカー陣は強烈。今季はルヴァンカップがなく、チーム作りやコンディション調整に時間をかけられる。

チームの趨勢を左右しそうなのが大宮と戦う24日の開幕戦。そこで結果を出せれば、昨季の戦いで失った自信を取り戻して反攻の糧にできるはずだ。

また、ジェフ千葉は14位で昨季のJ2を終えた。しかしこの4、5年、私は「今年こそ千葉は昇格する」と予想し続けている。混乱しているように見えた人事も、ファン・エスナイデル体制になって落ち着いた。

クラブの歴史や予算規模、個の力量を考えても、J2にいるべきクラブではない。なので繰り返しになるが、懲りずに私は予想する。今年こそ千葉はJ1へ昇格するだろう。

文=大島和人

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