■外国籍選手のネットワークを生かして、海外に発信する
Jリーグは27日、Jリーググローバルアンバサダーにジーコ氏、ギド・ブッフバルト氏、ドゥンガ氏、洪明甫氏の4人が就任することを発表した。都内で行われた就任会見には、村井満チェアマンに加えてジーコ氏、ブッフバルト氏も出席。同アンバサダーの意義、そして今後の意気込みを口にした。
Jリーググローバルアンバサダーとは、主に「Jリーグの広報活動の支援業務」「Jリーグを世界に紹介するスポークスマン」「元所属クラブとの活動」「社会貢献活動」の5本の軸で活動し、Jリーグの素晴らしさや価値を世界へPRすることや、かつて所属していたクラブで、レジェンドと地域とのつながりを再構築することを目的にしている。
会見で村井チェアマンは、今回のアンバサダーを発足するきっかけとなったのが、2017年末、ブラジルでの出来事だったと話す。
「そもそもの発端は、2017年の年末にジーコさんがマラカナンに呼んでくださったこと。当時多くのOBがいらしてOB戦をやっていた。そのネットワーク自体がブラジルの財産だなと思いました」
村井チェアマン曰く「Jリーグ創設以来の外国籍選手は1258名（2018年3月18日現在）」であり、「そのなかで各国代表に選ばれた経験のある選手は362名」にのぼるという。そして「W杯を優勝した経験があってJでプレーした選手はのべ21名。W杯を優勝した経験のある監督、指導者、コーチングスタッフは8名」という数字を紹介。Jリーグと世界を知る外国籍選手が多いことを紹介した。
そういった多くの外国籍選手がいるなかで「そのネットワークを生かし、Jリーグの実情や現状をそういう方々を介して海外に発信していく」ことを実現するために、「ジーコさんに外国籍選手OB会の設立を呼び掛けたところ、快く受けていただいた」という。
■ジーコ氏「日本は私にとってとても大切」
©Goalジーコ氏は、現役時代の92年に鹿島アントラーズへ加入。黎明期だったJリーグに多くのものをもたらした。引退後は指導者として、日本代表やイラク代表を指揮。そして昨季、古巣・鹿島アントラーズのテクニカルディレクター（TD）に就任すると、チームに“勝者のメンタリティ”を植え付け、鹿島を史上初のACL制覇へ導くなど、TD職としてその手腕をいかんなく発揮した。
ブラジル、そして鹿島のレジェンドは「日本は私にとってとても大切」と話し、「村井チェアマン、私にとってJリーグはとても大切ですので、できることがあれば何でも言ってください」と、今後のJリーグ発展に尽力することを誓った。
また、Jリーグの放映権を持つDAZNが、ブラジルにも進出したことに言及。「再びJリーグの試合がブラジルで放送されるようになった。昔からJに所属した数多くのブラジル人選手と連絡を取っており、Jリーグについて話している」ようで、「こういった形で（グローバルアンバサダーに）就任しましたし、ブッフバルト氏とともに一生懸命頑張りたいと思います」と意気込んだ。
また、同じく会見に出席したブッフバルト氏も、選手として浦和レッズでプレーし、指揮官としてはクラブを初のリーグ優勝に導いた経験がある。同氏はこの話を聞いたときに「すぐになんとかお手伝いをしたい」と感じていたという。
「私はJリーグの国際化を早くやってほしいと思っていました。確かに日本を離れてからかなりの時間が経ちますが、今はドイツでもDAZNでJリーグが見られますし、Jリーグの試合は見ていました。それ以外にも、一緒にやった選手たちとコンタクトはありますし、同じチームでやった選手もドイツに何人かいますので、彼らともつねにコンタクトを取っております」
そう話すブッフバルト氏は「Jリーグの魅力を世界に伝えたい」という思いがある。そのために「いろいろお手伝いできたら」と話し、「いい選手だけではなくて、指導者になったりマネジメントをできる人がJリーグでは活躍しています。Jリーグはこれだけ素晴らしいんだということを、世界に広げていきたい」と意気込みを口にした。
村井チェアマンは、実際に「Jリーグが世界基準で発展していくためにも、世界トップレベルの選手を招へいすることは極めて重要なリーグとしての戦略でもある」と明かす。一方で「若手の選手が世界トップレベルのチームで活躍する道を作るのも大切」とも話す。その両方を実現するために、心強い存在とともにJリーグは確かな一歩を刻んでいる。
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「※」は提携サイト『 Sporting News』の提供記事です
