レアル・ソシエダのイマノル・アルグアシル監督は、同クラブが将来的に下部組織の選手だけでプレーすることを願っている。
今季限りでソシエダ監督を退任するイマノル監督は、18日にホーム最終戦となるラ・リーガ第37節ジローナ戦に臨み、3-2の勝利を飾っている。
試合終了前から涙目だったイマノル監督は終了後、選手たちに胴上げされ、その後にはピッチの外周を回って各スタンドの最前列に集まった観客と一人ひとりタッチを交わしていった。6シーズン半にわたりソシエダのトップチームを率い、5シーズン連続の欧州カップ出場とコパ・デル・レイ優勝を果たしたソシエダ史に残る生え抜きの指揮官は、サポーターにとって最後まで“私たちの一人”だった。
イマノル監督は試合後会見で、心残りとして下部組織の選手たちを望むように起用できなかったことを挙げている。
「結果を残さなければいけない状況で、(下部組織の選手たちに)思うように出場時間を与えられなかった。そうした選手たちには出場機会が必要となる。成長するための時間、ミスをするための余裕がね。しかしながら、そうしたミスがあることで勝ち点を逃す恐れがあることも事実だ。そのことは全員が理解していなくてはならない」
「もう少し、下部組織の選手たちに出場させる機会を与えられたら良かった。だが求められるプレーレベルは非常に高かったんだ。それでも私たちは三大会で、多くの下部組織の選手たちを起用することができた」
選手、監督としてソシエダの下部組織スビエタで日々を過ごしたイマノル監督。ソシエダがいつの日かアスレティック・ビルバオのように、バスクや下部組織にゆかりのある選手たちだけでチームを構成することを願っている。
「いつの日かラ・レアルが政策を変えて、アスレティックのように下部組織の選手たちだけでプレーすることを決断してほしい。そうなれば皆が満足だし、結果に関係なく誇りを感じられるだろう」
イマノル監督はまた、自身の力の源泉にあるのが、今は亡き母親の振る舞いだったと明かしている。
「私が14歳の頃、末期がんの母親はパンプローナで化学療法を受けていた。ある日、母と二人だけで話したんだが、彼女が別れを告げているのだと、そのときの私は知らなかった。母は言ったよ。『闘うことをやめないで。そして、いつでも笑っていて』と」
「それこそが私のしたことだった。母が私に別れを告げたとは、そのときには気づいていなかった。しかし時間が経つに連れて、彼女が私に力を与えくれたんだと分かったんだ」


