57歳で現役最年長選手として活躍する元日本代表FW三浦知良について、ジェノア時代のチームメイトであるアントニオ・マニコーネ氏が当時を振り返った。イタリアメディア『adnkronos』が伝えている。
先日にJFLアトレチコ鈴鹿への期限付き移籍を来年1月末まで延長し、58歳でも現役続行が決定した三浦。そんな元日本代表FWにイタリアメディアも注目し、「不滅のカズ・ミウラ……セリエAの流星は58歳でまだピッチに立つ」との見出しで特集を組んだ。
“キングカズ”こと三浦は、1994-95シーズンにジェノアに移籍して日本人選手として初めてセリエAでプレーしたが、同メディアは「イタリアサッカー史上初の日本人選手は、今も母国でプレーを続ける」などと紹介。ジェノア時代にチームメートだったマニコーネ氏のインタビューを伝えた。ペルージャでは元日本代表MF中田英寿氏の同僚でもあった元ジェノアMFは、セリエA上陸当時のカズにまつわるエピソードを明かしている。
「当時ジェノアの監督だった哀れなフランコ・スコーリョのことを思い出すよ。監督は何とかして(三浦に対する)プレッシャーを取り除こうと、いつも心配していた。あの頃、彼はスターだった。アジア全土で最も有名なサッカー選手で、彼が歩く度に、カメラマンやジャーナリストに囲まれていた。メディアに関しては信じられないほどだったね。彼が移動するたびに、ばかげたくらいの列ができていたんだよ」
またマニコーネ氏は、当時のカズの振る舞いを思い返したほか、セリエA初ゴールを記録した第12節のジェノヴァダービーを振り返った。
「彼は常に非常に礼儀正しく、やや日本人らしい印象だった。彼は自分がうまいことを知っていたが、ピッチでは周囲に気を配り、常にチームメートを助けていた。彼は、我々にも足跡を残していったように思う。カズは残留争いで僕らの力になるためにやって来て、努力を惜しまなかった。僕らはあらゆる努力をしていて、あのゴールも特別なタイミングに生まれたんだ」
58歳の元ジェノアの同僚は、現在も現役を続ける三浦について「フィジカル面で問題がなく、楽しんでいるのなら、なぜプレーをしてはならないんだい? 引退は個人の決断であり、本人のモチベーション次第だ」とエールを送った。


