ブンデスリーガ2部フォルトゥナ・デュッセルドルフ入りが濃厚と見られる田中聡は、現在バイエルン・ミュンヘンでプレーする日本人選手のように、市場価値が跳ね上がるのだろうか。
先日、田中のサンフレッチェ広島からのデュッセルドルフ移籍の可能性を伝えた日本メディアに続き、ドイツ紙『ビルト』も「ほぼ確定」と報道。同紙は、今月14日にクラブの強化責任者に就任したスヴェン・ミスリンタート氏が手掛ける補強第1号として、その加入を濃厚と伝えた。
同紙は、のちにビッグクラブへとステップアップした無名のタレントを数多く発掘してきたミスリンタート氏の功績に注目。その目利きから“ダイヤモンド・アイ”とも呼ばれる53歳は、ボルシア・ドルトムントのチーフスカウトやシュトゥットガルトのスポーツディレクターとして、香川真司や遠藤航、伊藤洋輝ら複数の日本人選手の獲得も手掛けてきた。デュッセルドルフも、その手腕に大きな期待を寄せているようだ。
記事では、ミスリンタート氏がシュトゥットガルト時代に50万ユーロのレンタル料+移籍金で獲得し、推定2350万ユーロの移籍金でバイエルンに渡った伊藤の例を挙げ、田中も将来的にデュッセルドルフに大きな利益をもたらす可能性があると指摘。同紙が本人に、その発掘能力は2部クラブでも機能するのかと質問した際、以下のように返答したという。
「それは実際、私自身も自問した問いであり、監査役会からも投げかけられたものでもある。そこで私は、シュトゥットガルト時代に、我々の射程圏内とも言える150万ユーロ未満で、どのような選手を獲得してきたのかを振り返った。その結果、そこでもある程度うまくいった例もあれば、非常にうまくいった例もあったと思う」
また、『ビルト』は、シュトゥットガルト時代におけるほかの成功例も紹介。当時ベルギーのシント=トロイデンから加入した遠藤(200万ユーロで獲得、2000万ユーロで売却)や、アタカン・カラゾル(80万ユーロで獲得→現在の推定価値は900万ユーロ)、クリス・フューリヒ(250万ユーロで獲得→現在の推定価値は1000万ユーロ)、エンゾ・ミロー(175万ユーロで獲得→3000万ユーロで売却)と、それぞれの評価額の上昇ぶりを添えて伝えた。
「ミスリンタートの移籍がすべて大当たりだったわけではないが、彼の“安価な補強”の中には、驚くほど大きなインパクトを残したものもあった。それが今後はデュッセルドルフでも起きることだと期待されている」とし、田中のような選手たちは「デュッセルドルフを戦力的に強化するだけでなく、クラブの金庫も再び潤わせる存在になればいいのだが……」と締めくくった。
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