34回目となる『多摩川クラシコ』が7月14日、味の素スタジアムで開催される。多摩川を挟んだライバル、FC東京と川崎フロンターレ。ここまでの通算対戦成績は、FC東京から見て10勝9分14敗だ。『多摩川クラシコ』という名称は07年からスタートしたが、JFL時代からしのぎを削ってきたライバル同士の過去には幾多の名勝負があった。
■JFL、J2、そしてJ1でもライバル
1997、98年のJFL時代は、東京ガスサッカー部と富士通サッカー部。98年にともに昇格を果たし、翌年からスタートしたJ2初年度を戦った。
J2での最初の対戦は、99年4月4日の第4節、場所は等々力競技場。『多摩川クラシコ』の原点となる試合である。63分までにFC東京の“キング”アマラオが2点奪うも、岩本輝雄が1点を返し、ロスタイムに高田栄二の得点で川崎Fが追いつく。当時は延長があったが、前半後半ともにスコアは動かず、2-2のドローに終わっている。
この年、J2初年度の参加チームが「10」だったため、シーズン全36節のうちFC東京と川崎Fは4回対戦している。結果は川崎Fの2勝2分。同年J2優勝を果たす勢いがその試合ぶりに表れていた。
翌2000年、J1に昇格した両者は2度対戦し、FC東京の2勝。印象深いのは、2ndステージ第3節、川崎Fホームながら国立競技場での開催となった一戦だ。この試合はアマラオがハットトリックを果たしてFC東京が3-0で勝利。FC東京サポーターは「俺たちのコクリツ」とチャントを歌っている。
この年の川崎Fはリーグ戦で低迷し、16位でJ2に降格。その後、川崎Fが再びJ1の舞台に戻って来たのは05年だった。
©J.LEAGUE■大量得点、大量失点、”殴り合い“の時代
川崎FがJ1に再昇格し、ライバル同士の対戦が再び始まった。特に、06年から08年は印象深い試合が続いている。試合結果を並べてみよう。
【2006年】
J1第4節(3/21)川崎F 2-2 FC東京(等々力競技場)J1第30節(11/11)FC東京5-4 川崎F(味の素スタジアム)
【2007年】※この年から『多摩川クラシコ』と言う名称に
J1第10節(5/6)川崎F 5-2 FC東京(等々力競技場)J1第30節(10/28)FC東京0-7 川崎F(味の素スタジアム)
【2008年】
J1第7節(4/19)FC東京4-2 川崎F(味の素スタジアム)J1第25節(9/20)川崎F 0-1 FC東京(等々力競技場)
06年の第30節は、FC東京の大逆転劇だった。
雨の降る中、15時4分キックオフ。7分FKの流れから川崎F谷口博之が先制するも、早々にルーカスが返してFC東京が追いつく。ルーカスの得点から3分後の17分、今度は川崎F、我那覇和樹。その後もジュニーニョ、マギヌンが加点し、49分の時点で1-4のスコアに。
ホームチームの反撃が始まったのは51分、戸田光洋。53分にジュニーニョが警告2回で退場すると、10人になった川崎F相手にFC東京は鈴木規郎、宮沢正史、平山相太と攻撃的な選手を投入し、サイドから攻め続ける。83分に平山が頭で押し込み3-4。直後にマルコンが2度目の警告で退場、川崎Fは9人となる。荒れた試合のアディショナルタイムは6分。鈴木のクロスに宮沢正史が頭で合わせて同点に。終了間際、今野泰幸が右足を振り抜くとグラウンダーのボールがゴールネットを揺らした。
FC東京はこの年、アレッシャンドレ・ガーロ監督を招へいするも低迷し、夏に解任、8月から後を継いだ倉又寿雄監督が指揮を執るなか、この川崎F戦で残留を決めた一戦でもあった。

07年の第30節は逆に、川崎Fの強烈な攻撃がさく裂した。J1の試合でそうそう見ないスコアで試合が終わっている。ホーム・味スタで0-7。FC東京の石川直宏クラブコミュニケーターいわく、「散々な試合」という屈辱の一戦だった。
試合の入りは双方にらみ合い。だが、25分に鄭大世が先制点を奪うと川崎Fにスイッチが入る。4分後にも再び鄭大世。40分にはCKの流れから箕輪義信が押し込み、そのわずか2分後には抜け出した鄭大世が決めてハットトリック。
後半に入っても川崎Fの攻撃は緩まない。74分にマギヌンが頭で5点目。79分には中村憲剛のCKに寺田周平が合わせて6点目。82分にはマギヌンが2度目の警告で退場するも、FC東京は数的優位も生かせない。そしてトドメは85分のジュニーニョ。ボールを奪った河村崇大のスルーパスに抜け出すと、茂庭照幸の対応もかわしてカウンター。エースはGK塩田仁史の股を抜く見事な7点目を叩き込む――。FC東京はクラブ史上初の7失点を喫し、ホーム・味の素スタジアムは失意に覆われた。
2007年、『多摩川クラシコ』と銘打たれた初年度の対戦は川崎Fの2勝となった。
■そして来る14日は1位と3位の対戦
JFLからJ2、J1へ歩みを進め、そのなかでJ2への降格とJ1再昇格も経験した両クラブ。川崎Fは17年にJ1で初優勝を果たし、翌18年も優勝、連覇を果たしたことは記憶に新しい。一方、FC東京は17年は13位と低迷。18年は長谷川健太監督を招へいして再建を図るも6位に終わっている。
悲願のリーグ優勝に向けまい進するFC東京が、ホームに長年のライバルを迎える第34回『多摩川クラシコ』。現在のリーグ戦成績は、FC東京が1位、川崎Fが3位、勝ち点差は7だ(ただし試合消化数は川崎Fが1試合少ない)。
シーズン後半戦に入ったこの時期のこの対戦が、今季リーグの優勝争いを左右することは間違いない。明治安田生命J1リーグ戦第19節『多摩川クラシコ』は14日19時、味の素スタジアムでキックオフの時を迎える。
(文中敬称略)
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